常に斬新なアイディアとフォルムで、現代の都市や建築に不断の挑戦を試みてきたMVRDVが、自国オランダにアーバン・スペースへの強かな刺激をもつ楽しい建築をつくった。 オランダ西部にあるサウス・ホランド州のスパイケニッセ市。人口75,000人ほどのこの街に、MVRDVがユニークな図書館をデザインした。「ブック・マウンテン」と呼ばれる建物は、文字通り“本の山”というように、寄棟の屋根形だが妻側から見ると、山のごときシャープな峰が屹立しているように見える。 さてこの図書館、スパイケニッセのこのエリアでは文盲率が10%にも及び、読書を助長するためにデザインされたもので、視覚的に目立つ存在はコミュニティにとって大きな意義をもっている。ガラス張りのスキンの内側には、それこそ本物の“本の山”があるのだ。 図書館は4方向からすべて見えるように建てられており、特に隣接するマーケット・スクエアからは巨大なガラス