本記事は、日経WinPC2012年1月号に掲載した連載「PC技術興亡史」を再掲したものです。社名や肩書などは掲載時のものです。 今回からテーマをHDDに移す。まずはHDD普及前夜の状況を説明したい。 PC登場前に「マイコン」と呼ばれていた、MITSの「Altair 8800」やIMS Associatesの「IMSAI 8080」、NECの「TK-80」などには、そもそも外部記憶装置が標準で存在しなかった(図1)。筆者もIMSAI 8080は触ったことがあるが、スイッチを操作してプログラムを1バイトずつ延々と打ち込む必要があった。TK-80はスイッチがプッシュボタンなので少し楽だったが、1バイトずつ入力することに変わりはなかった。