前回の本コラムで、筆者は「日系企業はすり合わせにこだわる傾向が強い」と述べた。問題解決の手法として安易な手段を選ばず、さまざまな状況を想定しながら最善策を探すことで、高品質を保証し、日本ブランドを確立してきた。この傾向が半導体業界においても十分に見られたという意味では、多くの方々にもご賛同頂けると思う。 「すり合わせにこだわる」ことは、日系企業の強みであり、魅力でもある。しかし、これを顧客に付加価値として認めてもらえなければ、収益には結び付かない。日系半導体メーカーの多くは「収益に結び付かないすり合わせ」をやり過ぎた結果、今日のような状況に追い込まれたという見方ができる。 今回は、半導体メーカー各社の「すり合わせ」度合いを比較しながら、日系半導体メーカーの現状とあるべき姿について、持論を展開したい。 すり合わせか、組み合わせか ここでは、東京大学ものづくり経営研究センターが提唱するアーキテ