ブックマーク / honz.jp (2)

  • 均衡としての汚職──『コラプション:なぜ汚職は起こるのか』 - HONZ

    いったいなぜ汚職が起こるのか、と言われても、それが発生する人間心理についてはそう不可思議な点はない。乱用できる権力があり、さらにそれを振りかざすことで利益が手に入るのであれば、そうすることもあるだろう、と容易く想像できてしまう。 「やるだろうな」と想像できる一方で、賄賂などを受け取ることによるリスク(法律違反による逮捕や、糾弾などの制裁)がある時、賄賂をためらうこともある。たとえば、日で交通違反で止められたからといって警官に賄賂を渡して見逃してもらおうとする人はそう多くはない。それは、少なくとも日においてはそうした汚職を実行することで逆に自分がまずい状況に陥ることが容易に想像できるからだ。汚職に手を汚すかどうかには、リスクと利益の均衡が関わってくる。書は、そうした汚職についてのより詳細なメカニズムを解き明かしていく一冊である。 書の中で取り上げられていく話題としては、たとえば、民主

    均衡としての汚職──『コラプション:なぜ汚職は起こるのか』 - HONZ
  • 『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』日本型雇用慣行は、なぜこれほどまでに変わらないのか - HONZ

    いったんでき上がった社会の仕組みは、社会のコンセンサスがなければ決して変わらない。 そして、その前提となるのは透明性と公開性であり、これがない改革は必ずつまずく。 こうした仮説のもと、雇用、教育、社会保障、地域社会、政治、さらには日人の「生き方」までを規定している「慣習の束」がどのようにでき上がってきたのかを、歴史的事実と豊富な参考文献に基づいて丹念に解き明かしているのが書である。 とくに今、日型雇用慣行(女性と外国人に対する閉鎖性、正規と非正規との格差、転職のしにくさ、高度人材獲得の困難さ、長時間労働と生産性の低さ、ワークライフバランスの悪さなど)に対する閉塞感が蔓延しており、働き方改革が叫ばれているにもかかわらず、なかなか社会は変われない。なぜなら、今の雇用慣行は経営の裁量を抑えるルールとして、労働者側が歴史的に達成してきたものだからである。 日では、職務の明確化や人事の透明化

    『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』日本型雇用慣行は、なぜこれほどまでに変わらないのか - HONZ
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