オリンピックのシンボルマークである五つの輪が象徴するものは、元々は五大陸の結合であるという。 しかし2008年度、それが象徴するのは手錠、足枷、首輪になるのだろうか。あるいは、名も無き人々を貫いた銃撃の痕なのか。 2008年3月10日、中国チベット自治区ラサ近辺で、チベット民族蜂起49周年を記念し、僧侶たちが抗議行進を開始した。平和的であるはずの行進は、一般のチベット民衆が続々と参加するにつれて、大掛かりな抗議活動へと拡大し、一部は暴徒化した。行進開始直後から参加者の逮捕・拘束を図っていた中国当局は、3月14日から武装した警官隊や装甲車を出動し、チベット民衆に向け発砲。中国政府当局の発表では死者20人弱、チベット亡命政府側発表では140人ほどが犠牲になったとされている。 一方で、中国政府の発表によると、チベット人の暴徒によってこれまでに警官2人が殺害され、漢民族の住民18人が犠牲になったと