サロンに関する本も、松岡正剛ら編著『クラブとサロン なぜ人びとは集うのか』を皮切りに、ハイデン・リンシュ『ヨーロッパのサロン』、川田靖子『十七世紀フランスのサロン』、菊盛英夫『文芸サロン その多彩なヒロインたち』と順に読んでいき、5冊目となった。 本書は、共にフランス文学研究者である赤木夫妻の共著である。前半は、赤木昭三氏専門のフランス近代思想史をまとめ、後半は、赤木富美子氏専門のフェミニズム的観点からフランスのサロン史をまとめている。 サロン興隆の背景にあった、フランス近代の思想史について詳しく触れているので興味深い。まず名前が出てくるのは、何と言ってもデカルトである。デカルトの哲学は、形而上学的問題を超えて、同時期に高まりつつあった新科学への関心と一体になり、17世紀後半から一種のブームを巻き起こした。私がサロンの歴史を調べていくうちに、クリスティーナ女王と彼女の思想に大きな影響を与え
ためしにWikipediaで引いてみたら「フランス語で宮廷や貴族の邸宅を舞台にした社交界をサロンと呼んだ。主人(女主人である場合も多い)が、文化人、学者、作家らを招いて、知的な会話を楽しんだ。フランスではヴェルサイユ宮殿を中心に、いくつものサロンが開かれた。ラ・ファイエット夫人やポンパドゥール夫人らのサロンなどが史上有名。啓蒙主義の思想家たちもサロンの交流で、思想を深めていった」とある。「社交界」、「文化人」、「知的な会話」など、ちょっと気恥ずかしくなるような言葉が並んでいる。正直なところ、希望学の目指しているものとは、ちょっとずれているという気もする。 が、そう結論を急ぐことはない。いま、ここに参考になりそうな本がある。赤木昭三・赤木富美子『サロンの思想史−デカルトから啓蒙思想へ』(名古屋大学出版会)だ。サロンというと、ややもすれば特権階級の知的遊戯という印象があり、表層的で軽佻浮薄とい
私たちの生活や健康にとって切っても切り離せない「塩」。料理をする時は必ずと言っていいほど使われている調味料です。ひとくちに「塩」と言っても、国内外には実に様々な種類のものがあります。今回は、「塩」の歴史や種類、作り方についてご紹介します。 塩の歴史は、まさに人類の歴史 人間が生きていくうえで欠かせない塩。日本史上で塩が登場するのは、縄文時代後期から弥生時代初期と言われています。世界を見わたしてみると、メソポタミア文明やエジプト文明といった古代文明発祥の頃には、すでに塩産業があったようです。 それらの地域に共通するのは、すべて川が近いということ。さらに、塩の生産地が存在していたということです。死海などの塩湖があった地域では、古代オリエント文明が栄え、ヨーロッパ文明の礎になったともいわれています。 世界とは異なる日本の塩づくり 日本は海に囲まれていますが、多雨多湿で平地面積も小さいため、海外の
情熱的読書人間・榎戸 誠 『定家明月記私抄』(堀田善衞著、ちくま学芸文庫)と『定家明月記私抄 続篇』(堀田善衞著、ちくま学芸文庫)では、若い時に『明月記』に出会って以来、数十年をかけて読み継いできた堀田善衞と、藤原定家が一体化している。これだけ長い付き合いとあっては、当然のことだろう。 「『明月記』の面白さは、(藤原兼実の)玉葉などとともに歴史的、時代的といった形容句のともなうものとしてもさることながら、やはり定家という人その人に即いての面白さであり、ときとしてはその癇癖の高さがかえって当方の哄笑をさそったりもし、その哄笑の間に、苦虫を噛みつぶしたような定家氏の表情までが見えて来たりもするのである。またその職業歌人としての矜持、二流貴族としての苦渋、歌壇操作のやり切れなさ、あるいは今日のことばで言っての生活難をかこつところなどは、同じ文筆業をいとなむ者として同情を禁じえないところもあり、私
先日の学園祭で友人のオタク達とやきそばを焼いて原価ギリギリで売ったところ予想以上の盛況でした*1。色々と工夫点はあったのですが、その一つとして売上杯数を Web 上で登録してリアルタイムで雑に public internet に公開するという試みをしてみところちょっと盛り上がったため、その経緯を書いていきたいと思います*2。 つくったもの 会計を登録するシステムとその集計結果を表示する Web サイト(+付随する簡単な API)を作りました。フロントエンド側のコードは GitHub 上に公開しています*3。 github.comサイトは以下のページから構成されます。フロントエンドはすべて public になっているため、簡易的な認証として API 側で Authorization ヘッダ内のトークンの有無を検証し、不正なトークンが送付された場合は 401 を返す設計としました*4。 トーク
ニーハオ!!新台湾文化学院の湯(タン)です。 新台湾文化学院に見学にくる方からも 「台湾で使われている言葉は?」 「台湾語と中国語の違いは?」 「台湾華語って何?」 と質問を頂く事も多くあります。 今回は以下3つについて台湾華語を軸に簡単に説明したいと思います。 ・台湾華語(國語):台湾の公用語 ・中国語(標準漢語、普通話):中国の公用語 ・台湾語(臺語):台湾南部を中心に利用されている言葉 まず台湾華語(台湾の公用語)です。 北京語をベースとしていて、公用語として1940年代以降から台湾で主に使用され始めました。 現在の台湾で最も使われていて、義務教育も台湾華語で実施されています。 そのため、台湾でコミュニケーションとるのであれば台湾華語が絶対オススメです。 次に中国語です。 北京語ベースなので、台湾人(台湾華語)と中国人(中国語)の会話はほぼ成立します。 (アメリカ英語とイギリス英
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