明日にも起こるかもしれない水害から身を守るため、住み慣れた土地を離れる。そんな決断をしようとしている地域がある。 穏やかな流れ一変、2メートルも浸水 「あのときはこんなところまで水が押し寄せたんですよ」 栃木県東部の山間部に位置する那須烏山市下境地区。農業を営む小田戸(おだと)照道さん(71)が自宅の外壁の上の方を指さした。横に真っすぐ走る茶色い線は、約2メートルの高さまで浸水したことを示す跡だ。 小田戸さんの自宅近くには1級河川・那珂川が流れる。普段の川の流れは穏やかで、夏にはアユ釣りを楽しめる。 小田戸さんが言う「あのとき」、川は急激に表情を変えた。2019年10月、台風19号が栃木を含む東日本各地を襲った。10月11~13日にかけて雨が降り続け、3日間の総雨量は県北部の日光市で500ミリ超、大田原市で300ミリ超と記録的な大雨になった。 10年に1度の頻度で被害発生 下境地区の近くに
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