権田愛三(ごんだあいぞう) 麦作の農業改良に尽くした「麦王(麦翁)(ばくおう)」 1850~1928年 嘉永三年(1850)7月20日武蔵国東別府村に、父和三郎、母いちの長男として生まれました。明治四年(1872)に開誘社を創立して、肥料と藍の栽培に着手したのを始めとして農業の改良につとめました。明治から大正時代にかけて麦の増産の研究に取り組み、麦踏み、二毛作などを全国に広め、『実験麦作改良書』を著して「麦王(麦翁)(ばくおう)」とたたえられました。以来実地指導を受けるため、遠くは鹿児島や熊本などから多くの視察者が来訪し、各地の指導開発に貢献しました。 明治二七年(1894)から晩年に至るまで別府村農会長の職を務め、大正三年(1914)にはそれまでの功績が認められ、緑綬褒章が授与されました。 昭和三年(1928)8月19日、病により逝去。享年七九歳。「真月院麦翁全馨居士」という戒名で、東別