大泉共生さんの妻は、夫の愛車の鍵などをお守り代わりに持ち歩いている=2021年11月4日午後4時7分、戸上文恵撮影 東証1部上場の工作機械メーカー「ソディック」(本社・横浜市)の社員、大泉共生(ともお)さん(当時43歳)が2017年に自殺したのは、長時間労働でうつ病を発症したためだとして、松本労働基準監督署(長野県松本市)が労災認定していたことが、関係者への取材で判明した。直前の時間外労働は月123時間。5日前には、実際にはやっていない不正を上司に詰問されており、自殺の引き金になった可能性を指摘する意見が添えられた。 認定は20年1月31日付。遺族側代理人の岩城穣弁護士らによると、大泉さんは松本営業所(同)で機械修理やメンテナンスを担当。16年5月、同僚の異動で通常2人で担当する業務を1人でやるようになり、長時間の残業が常態化した。