年齢が上がるほど、がんになる可能性は高くなり、「自分は大丈夫だろうか・・?」と不安になります。治療の効果が高い早期に見つけられれば・・・。 そのときに頼りにしたいのが、がん検診です。 内視鏡やCTなど、以前からある検診だけでなく、最近では血液や唾液、尿などでがんのリスクが分かるというものまで見られます。 しかし、2人の専門家に取材すると、「検診の目的は『がんを見つけること』ではない。 見つけなくてもいいがんもある」など、意外な指摘が。 今回の「#がんの誤解」は、正しいがん検診について考えます。 (NHKニュースの取材をもとに記事を作成しています)
2017年4月19日、諏訪中央病院医師の鎌田實氏の記事「福島県で急速に増え始めた小児甲状腺がん」が注目を集めた。これまでも、一部新聞や週刊誌、テレビ番組などで、「東電福島第一原発事故の影響で、福島では小児甲状腺がんが増えている」という趣旨が繰り返し報じられてきた。 また、「原発事故の影響で甲状腺がんを発症した子どものため」と標榜する基金も設立され、著名な学者やタレントなどが名を連ねている。こうした煽情的な報道やキャンペーンなどを受け、「福島では子供の甲状腺がんが増加しているのではないか」という不安の声が県内外を問わずあがっている。 しかし、実は国内外の専門家の間では、「福島では、放射線の影響による甲状腺がんの多発は確認されていない」という意見が大多数を占めている。つまり、専門家の見解が「放射線の影響で小児甲状腺がんは多発していない」という点でほぼ一致しているにもかかわらず、小児甲状腺がんが
TBS系「報道特集」が炎上しています。番組では、福島の原発事故による放射線の影響と甲状腺がんの関係を取り上げ、原発事故に由来する子供の甲状腺がんが増えているとする論調ですが、明らかな間違いです。炎上するのは、無理もありません。 福島では、事故当時18歳以下だったすべての県民に甲状腺検査を行っています。小児ほど、放射線の影響が甲状腺に表れる傾向があり、その調査です。これまでに30万人が検査を受け、252人が「甲状腺がんまたは甲状腺がんの疑い」と診断されています。 検査が行われる前よりも、見かけ上の診断数は多くなっていますが、結論からいうと、放射線被曝による住民の健康被害は見られない。県の調査だけでなく、国連科学委員会など国際機関も同様に結論づけているのです。 調査は、チョルノービリ(チェルノブイリ)の原発で約7000人の小児甲状腺がんが見つかったことを受けたもので、それぞれの被曝量を比較する
TBS報道特集「原発事故と甲状腺がん」炎上問題、偏向報道の代償はどこに降りかかるのか 報道のリテラシーが問われている 放送終了直後から批判が殺到 TBS報道特集の炎上が止まらない──。 5月21日(土)に「原発事故と甲状腺がん」のタイトルで放送された約20分間の短い番組には、放送終了直後から多くの批判が殺到した。 5月21日放送の特集『原発事故と甲状腺がん』がTVerにアップされました。見逃した方、もう一度ご覧になりたい方は、こちらで無料配信中です。配信期間は5月29日まで。「お気に入り」登録もお願いします。#報道特集 #原発事故 #甲状腺がん https://t.co/Gu5FvjNcuH — 報道特集(JNN / TBSテレビ) (@tbs_houtoku) May 22, 2022 ツイッターの「報道特集」での検索結果はもとより、番組の放送や見逃し配信を宣伝する報道特集の公式ツイッタ
TBSの報道特集で「原発事故と甲状腺がん」という特集が2022/05/21に放送されました。 これに対して Twitter で話題となったので、Tweetを分析してみました。 結果 「割合」は、それぞれの意見についた「いいね」の数の合計で算出しています。 報道に賛同する人達は、主観・陰謀論で主張しています。 デマという人達は、事実ベースの主張をしています。 「いいね」を集めたトップ5人のツイート関連ツイートを人ごとにいいねを合算し、トップ5の人の最もいいねがついたものを引用します。 ■1位TBS報道特集「甲状腺がん特集」があまりに酷い件 https://t.co/aCWYcQdMqo — 渡辺康平 福島県議会議員(須賀川市、鏡石町、天栄村選挙区) (@kohei_w1985) May 22, 2022 ■2位TBS「報道特集」「原発事故と甲状腺がん」を全部見ました。 まず言いたいんだが、福
1月19日に「小児甲状腺がん患者6人、東電提訴へ~4人は再発患者 」というニュースがマスコミで流れたことをきっかけに、誤った情報がSNS等を通じて流布されています。福島の子供や若者に害が及ばないよう、SCOとして下記の情報を提供したいと思います。お知らせしたいのは次の6つのことです。 1. 福島で甲状腺がんが増加しているのは放射線の影響ではない 2. 福島で甲状腺がんが増加しているのは過剰診断が原因 3.子供や若者の甲状腺がんは大人のものと全く違う 4.無症状の子供や若者に対する甲状腺検査は有害無益 5.転移をしていても過剰診断例である可能性は否定できない 6. 過剰診断されてしまえば手術を避けるのは困難 7. 患者さんは過剰診断の被害を訴えない1. 福島で甲状腺がんが増加しているのは放射線の影響ではない 福島県の子供たちの被曝量は、甲状腺がんのリスクの上昇が懸念されるレベルのはるかに下で
内容 令和4年1月27日に日本の元総理5人が欧州委員会委員長宛てに送付した書簡における、「多くの子供たちが甲状腺がんに苦しみ」という記述は、福島県の子どもに放射線による健康被害が生じているという誤った情報を広め、いわれのない差別や偏見を助長することが懸念されるものであることから、令和4年2月1日に環境大臣が元総理5人に対して風評払拭に係る書簡を送付しました。 風評払拭に係る環境大臣の書簡[令和4年2月1日](PDF: 9.1KB) 2月2日に環境大臣より駐日欧州連合大使に、元総理5人に送付した書簡の内容について直接伝えるとともに、2月3日には欧州委員会委員長にお伝えいただくよう依頼するレターを同大使に送付しました。 なお、2月3日に原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟から質問がありました。環境省の考えは以下のとおりです。 風評払拭に係る環境省の考え[令和4年2月10日](PDF: 628KB)
現在の福島では甲状腺検査を継続することは正当化されない 見直しを行わない「不作為」がもたらすもの 緑川早苗 宮城学院女子大学教授/POFF(ぽーぽいフレンズふくしま)共同代表 福島県民健康調査の甲状腺検査は、原発事故後の放射線の健康影響を懸念する住民の健康の見守りとして2011年10月から開始され、事故当時おおむね18歳以下であった全福島県民を対象として、超音波検査によるがん検診が継続されている。多い人ですでに5回目の検査を終えていることになる。 福島では推奨されないがん検診が継続されている 甲状腺がんの超音波を用いた検診に対する世界の認識は、検査開始後に出されたものではあるが、2017年のUSPSTF(米国予防専門委員会)による「症状のない成人に対して超音波による甲状腺がんスクリーニングは行わないことが推奨される」という勧告(注1)に代表される。さらにそれは2018年には世界保健機関(W
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対談・座談会 髙野 徹,緑川 早苗,服部 美咲 2021.02.15 週刊医学界新聞(通常号):第3408号より 2011年3月に起こった,東日本大震災と福島第一原子力発電所事故(以下,福島原発事故)から間もなく10年を迎える。今もなお福島県では多くの子どもたちが甲状腺癌の検査を受けており,その結果,本来は生涯で治療の必要のない癌が多数診断される「過剰診断」が問題となっている。 過剰診断はなぜ患者にとって不利益となるのか。この10年間から学ぶべき「医療の在り方」とは何か。これらの問いに対して,福島原発事故当初から検査に伴う甲状腺癌の過剰診断について問題提起を行ってきた医師らとジャーナリストが議論した。 髙野 福島原発事故当時に福島県に在住していたおおむね18歳以下の方々を対象に,2011年10月より現在まで福島県「県民健康調査」甲状腺検査1)(以下,福島甲状腺検査)が実施されています。これ
福島原発事故の発生からまもなく10年を迎える。私は首相補佐官や環境大臣として事故当初の対応にあたり、その後も福島の人々とともに「福島の復興」に取り組んできた。その歩みを『東電原発事故 自己調査報告』(2月28日発売、徳間書店)として刊行する。歴史法廷で罪を自白する覚悟を持って本書を書いた。その中から、県民健康調査として行われてきた甲状腺検査を通じて子供や保護者の不安に正面から向き合ってきた医師の緑川早苗氏との対談(司会は社会学者の開沼博氏)を「論座」で3回にわけて紹介する。私は政治家として福島県民の健康問題に重たい責任を背負っている。その立場から、甲状腺検査を継続する倫理的問題をここに問いたい。 開沼 最初にお伺いしますが、緑川先生はこれまで、著書でもオンラインでもあまりご自身のライフストーリー的なことをお話しなさっていませんよね。差し支えなければで構いませんが、ご出身は福島県内ですか。
東京電力福島第一原子力発電所の事故(以下福島第一原発事故)の後、事故当時18歳以下だった全県民を対象に、超音波機器を使って甲状腺がんの有無を調べる検査(甲状腺がんスクリーニング。以下甲状腺検査)が行われている。 この甲状腺検査には、過剰診断(検査で見つけなければ一生症状を出さず、治療の必要がなかった甲状腺がんを見つけること)をはじめ、複数の問題があるという指摘がある。 甲状腺がんスクリーニングは、受診者へのメリットが少ない一方で、過剰診断などの不利益があることから、国際的に、たとえ原子力災害の後であっても、実施すべきでないとされている。しかし、原発事故後の福島では、今なお甲状腺検査は続き、すでに10年目になる。 福島の甲状腺検査の中心的業務に、検査が始まった当初から関わった緑川早苗・元福島県立医科大学准教授が、2020年3月末で福島県立医科大学(以下福島医大)を退職した。その後、甲状腺検査
福島県が、原発事故当時18歳以下だった子どもたちを対象に行っている甲状腺検査で、2巡目の検査の結果、甲状腺がんやその疑いとされた71人について「被ばくとの関連は認められない」とする専門家部会の見解が県の検討委員会で大筋で了承されました。 県の検討委員会が8日開かれ、専門家の部会がまとめた「2巡目の検査で発見された甲状腺がんと被ばくとの関連は認められない」とする見解が報告されました。 報告では見解の根拠として、UNSCEAR=国連原子放射線影響科学委員会が年齢別や市町村別に推計した被ばく線量と、がんの発見率との関係が認められないことや、チェルノブイリ原発事故のあと低い年齢層に多く見られた甲状腺がんと異なり、年齢が高いほど発見率が高くなっていることなどを挙げています。 委員からは「詳細な推計をもとにしていて妥当だ」という意見が出た一方、「影響は長期間見ていく必要があり、結論が早急でふに落ちない
東京電力福島第一原発で建屋が爆発した2011年3月12日、福島県川俣町の避難所では40歳未満の避難者全員が甲状腺被曝を防ぐためにヨウ化カリウムを服用した 甲状腺検査は医学研究倫理に反している 本稿では福島で現在行われている甲状腺検査について考える。最初に結論を書いてしまうと、筆者はここで、甲状腺検査が医学研究倫理に反しており、受診者の人権を侵害しているので即刻中止するべきと提言する。 甲状腺に対する放射線影響の有無を知りたいという希望が医学の世界やあるいは広く一般にあるのはわかる。しかし、甲状腺がんのように進行の遅いがんを無症状のうちにスクリーニングで発見してしまうことには利益がなく害だけがあるので、その希望は捨てなくてはならない。科学よりも受診者個人の利益が優先するというのが倫理だからである。 放射線影響は九分九厘ないと考えられるが、もちろん絶対にゼロだとは言い切れない。だからといって、
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