参議院選挙が7月11日に決まったが、今回も「不毛の選択」といわざるをえない。民主党は鳩山首相から菅首相に代わっても「行き過ぎた市場原理主義」を嫌悪して所得再分配ばかりいう方針は変わらない。それに対して自民党は「小さな政府」という対抗軸を打ち出すことに失敗し、選挙の争点がよくわからない。あとの新党は、ポピュリズムや意味不明なものばかり。この調子では、日本経済の「失われた20年」は25年ぐらいに延長されそうだ。 しかし逆に考えると、自民党政権がこの20年間やってこなかった宿題は、解決すれば日本経済を大きく改善する可能性がある。そのうち最大の「貯金」は、当コラムでも取り上げた法人税である。日本の法人税の実効税率は40.7%と、OECD諸国で群を抜いて高い。第一生命経済研究所の推定によれば、これをOECD平均の25%まで下げれば、今後10年間で6兆円以上(GDP比1.2%)の成長が見込めるという。