社会学の研究をしていると、たまに「単純に見える出来事も、実態は多様なんです」という何の意味があるのか分からない指摘をするものに出くわすことがある。研究として重要なのは、その多様な現実をいまある見方とは別の見方で切り直すことであって、多様なものを多様なんですと説明するだけでは、なすべき仕事の半分もできていないだろうと思うのだけど。 でも、単純過ぎるものの見方を一度相対化してみることは割と大事だ。二分法でものごとを切って「あれか、これか」と選択を迫られると、その乱暴さゆえに「あれかこれかに賛成か、反対か」くらいの二分法で話が進んでしまうことがよくある。昨年から話題になっている「G型・L型大学」なんていうのがその典型だ。 この件、今売りの『週刊東洋経済』が特集を組んでいて、ウェブ版では提案者の冨山さんのインタビューが出ていることもあって、また「炎上」が再燃しそうな気配。けど、よくよく読んでみると