1972年の黒川紀章の代表作の一つ、「中銀カプセルタワービル」(東京・銀座)が存続か解体かで揺れている。 床面積約10平方メートルのカプセル140戸をボルトで固定した分譲マンション。オフィス、書斎、趣味の部屋など利用は様々だ。 部屋に魅了された所有者が2014年11月に「保存・再生プロジェクト」を立ち上げ、注目度が上昇した。現在、月に1戸以上のペースで取引され、値段は2年前の3倍以上の1千万円近くに上がった。プロジェクト代表の前田達之さん(49)は「世界に影響を与えた日本の建物の象徴としても残してほしい。子どものときに夢見た近未来がある場所」と大規模修繕を希望し、存続を訴える。その一方で、完成から44年たち、半数以上の部屋は使用できない状態という。雨漏りで内壁が崩れ落ちた部屋もある。管理会社は老朽化から建て替えを提案。今年末の所有者の総会で決まる予定。
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