芹沢一也「日本思想における国家とは何か――『北一輝 国家と進化』を読む」 2010年01月20日15:15 担当者より:知の交流スペース「シノドス」を中心に活発に活動をされている芹沢一也さんによる、嘉戸一将『北一輝 国家と進化』(講談社)の書評です。また、「シノドス」の試みについては、芹沢さんと荻上チキさんのインタビューをご覧ください。 配信日:2010/01/13 北一輝ほど多様な解釈を誘う思想家も珍しい。手元の日本史辞典をめくってみると、「大正・昭和期の国家主義運動指導者」と規定されてはいる。だが、つづく簡単なプロフィールを一瞥するだけで、そのような明確な像はすぐさま揺らぐ。 1906(明治39)年、『国体論及び純正社会主義』を出版。明治憲法を読み解くことで、国体論から社会主義を論ずる。その後、辛亥革命に身を投じ、中国革命同盟会・黒龍会にあって宋教仁を支援。だが、中国の排日運動が激化す