抵抗勢力となった森氏と文科省 たとえ白紙撤回の動機が、安保関連法案を強行採決して急落した内閣支持率を取り戻すためであっても、とりあえずは安倍晋三首相の決断を評価したい。 新国立競技場は、「戦艦大和」になるところだった。空母主体、機動力重視が世界の潮流だったのに、国の威信をかけ、造船技術の粋を集めて大和を建造。しかし、大鑑巨砲は過去の遺物となり、"見せ場"を作れないまま、「お国ために何かやらせろ」という無益な空気に流されて出撃、撃沈した。 新国立競技場も撃沈の寸前だった。まず、予算。当初予定の1300億円の倍近い2520億円ですら、開閉式屋根や1万5000席の可動席を取り払った数字。消費税の10%引き上げや、最大の懸案だったキールアーチの特殊鋼材の値上がり、作業の難航によって「完成時の1000億円上乗せは常識」(ゼネコン関係者)と言われた。 加えて、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC
二〇二〇年東京五輪・パラリンピック大会の主会場となる新国立競技場(東京都新宿区)の建設計画が白紙となった問題は、初期の計画段階でスポーツ界や政界、音楽界など有識者から出された百二十八項目もの要望が組み込まれ、後に工費が膨らむ要因となった。文部科学省幹部は「多目的は無目的。今考えればそういうことかもしれない」と悔やむ。迷走を続けた建設計画を関係者の証言などで振り返り、検証した。 (沢田敦、森本智之) 二〇一二年三月にスタートした有識者会議は、新国立競技場をどんなスタジアムにするか、計画作りを一から担った。メンバーには利害関係者がずらり。議論は陳情合戦の様相だった。「開閉式屋根はマスト」「八万人規模がスタートライン」「ホスピタリティー機能も充実を」…。「ブロードウェーを超える地域開発」の発言も出た。 止めどない要望をどう形にするか。有識者会議の下に設けられた建築家らのワーキンググループでは「全
Chris Arnadeという人が、元ウォール街トレーダーという視点からギリシャ危機についてThe Atlanticに書いている。(H/T Economist's View)。 以下はその冒頭部。 One of the first lessons I was taught on Wall Street was, “Know who the fool is.” That was the gist of it. The more detailed description, yelled at me repeatedly was, “Know who the fucking idiot with the money is and cram as much toxic shit down their throat as they can take. But be nice to them firs
作家の百田尚樹氏が発した自民党青年局での「沖縄の2紙はつぶれればいい」とか「普天間は田んぼだった」という言葉は無知丸出しで恥知らずの発言だが、絶対に看過してはいけない。というのは、そういった発言に喝采を送ってしまう議員たちを選んでいるのは私たちだからだ。多くの自民党の政治家たちは、沖縄のメディアに対して百田氏のように口にはしないだけで、同じような思いを抱いている。 「沖縄の反基地の運動はどうせ共産党だ」 とくに沖縄タイムスと琉球新報の2紙については、とりわけ政治的に偏向しているという恨み節はかねてよりあった。例えば、森喜郎元首相が「沖縄には3本の赤い旗がたっている。1本は共産党。あとの2本は地元紙の赤い旗だ」と言ったことは有名な話だ。小池百合子議員は沖縄担当相のときに、「沖縄の新聞はアラブに似ている」と言った。つまり「沖縄版アルジャジーラ」だと言いたいわけだ。こうした「沖縄の新聞は偏向して
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