今から34年前の1989年6月4日、中国では六四天安門事件が発生した。首都・北京の天安門広場に集結していた学生や市民のデモ隊を排除するため、中国共産党が人民解放軍を投入。市内移動の過程で実弾射撃や戦車を用いた群衆の排除がおこなわれ、数百人~数万人の犠牲者が出たとされる事件である。国家の改革や民主化を求めた学生に銃口が向けられた衝撃は大きく、事件は中国現代史の大きな汚点となっている。 ゆえに毎年6月4日、日本を含めた各国では、在外中国人を中心に追悼活動がおこなわれてきた──。だが、事件の風化や中国の経済発展にともなって、各国の追悼活動はすでに下火になって久しかった。 日本でも昨年までは、1960年代生まれの天安門世代を中心にした少数の活動家が、ささやかな規模のイベントをおこなうだけだった。毎年の顔ぶれも同じ、主張の内容も判で押したように変わらない「寺の法事」さながらの形骸化したセレモニーだ。
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