第ニ回【大分トリニータ】真の再生に向かっていまだ残る不透明さ 木村元彦●取材・文 text by Kimura Yukihiko 山本雷太●撮影 photo by Yamamoto Raita トリニータ・ウォーターボーイズ この夏、大分ではトリニータの原(前)強化部長、内野(前)営業部長、豊東(前)社長室室長が揃って小学校プールの監視員を11日間続けた。3人でトータル19万円のバイト料を稼いでチームに入れるためである。 前年度からスポンサー収入は激減し、新しい経営体制下で営業が機能しているとは言いがたい。今季はついに胸スポンサーがつかなかった。座して再び破綻するよりはという豊東の提案で社員たちがアルバイトに出たという次第である。 「選手よりも日焼けしましたよ」と豊東はいう。泳いでいた小学2年生の少年が豊東に言った。「あれ、原さんやろう? テレビで見たけん、知っとる。選手のスカウトに行かん