Jリーグは、開幕から数試合のうちに多くの注目カードを組むことが多い。その意図は評価できるとしても、どのような論理がその背景にあるのかを完全に理解することはできない。悲劇的な地震と津波の発生からちょうど1年後に仙台と鹿島の被災地のチーム同士の対戦が組まれたほかにも、今年のJ1開幕節にはいくつかの「ストーリー」が織り込まれていた。浦和のミハイロ・ペトロヴィッチと槙野智章はさっそく古巣の広島と対戦。怪我のため結局は実現しなかったものの、札幌の44歳のFW「ゴン」中山雅史も磐田と戦うはずであった。だが、テレビの放送時間やコラムの行数には限りがあるため、これでは一つ一つの試合のインパクトが薄まってしまうことは避けられない。 関西ではG大阪が同じく関西のチームである神戸をホームに迎えた。昨年12月まで14年間G大阪に在籍していた元日本代表MF橋本英郎は古巣との試合に出場し、ゴールも決めてみせた。青と黒