「一世一代のチャンスがきたと思った」 高校を出て19歳で金属装飾の世界に入ったガッザニガはちょうど50歳になったところで、長年培ってきた仕事ぶりを世に問いたいと期するものがあったらしい。 工房に1週間こもり、デッサンを描き、造形粘土をこね回した。閃くものがあり、高さ30センチほどの石膏モデルを一気に造形すると、実物大の立体物としてコンペに出品した。 コンペの応募要項に立体物出品についての記述はなく、受け付けてもらえない恐れもあったが、あに図らんやFIFAの審査員たちはガッザニガの石膏モデルを絶賛。実際に手にとって握り心地をリアルに体感させ、テレビ映りを想起させたことが大いに審査員の心証を良くした。 「私が作りたかったのは、スポーツにある根源的な価値と調和、つまり歓喜する選手とそれを受容するこの世界そのものの2つだ。それを表現するために、トロフィーは躍動感にあふれながらも流れるようなシルエッ
2つ目のワールドカップとは、表彰式の後、優勝国のサッカー協会に贈られるFIFA公認レプリカ・トロフィーのことだ。大会後に母国へ帰還した優勝メンバーや代表監督が飛行機のタラップや凱旋パレードで掲げているものは、まず間違いなくレプリカだと考えていい。 ただし、レプリカといっても世界にたった1つしかない超貴重なFIFA公認アイテム(?)。コピーだ模造品だというのは野暮の極みだろう。 高さ36.8センチメートル、重さ6175グラムの純金オリジナル・トロフィーを作っただけでなく、優勝国のみに与えられる公式レプリカ・トロフィー、そして出場国へ配られる大会記念メダルを製造するのが、ミラノ北部にある金属装飾加工の専門企業、GDEベルトーニ社だ。 世界で唯一、ベルトーニ社だけが知る「ワールドカップの作り方」。 地元在住のイタリア人フォトジャーナリストによる写真たっぷりの本邦初公開ルポ、必見です。<翻訳・構成
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く