タグ

ブックマーク / realsound.jp (31)

  • 追悼 チバユウスケ TMGE、The Birthday……鮮烈なロックを追求し続けた極上のフロントマン

    カッコいいヤツだったな。 モデルのようないわゆるイケメンでもないし、俳優のようにスマートでもない。ちょっと背の痩せっぽちで、何だか迂闊なところもある。けれど、あの嗄れた声で歌い出すと途轍もない存在感を発して聴く者を圧倒する。ロードムービーのようにイメージを飛ばしていく歌詞と切れ味抜群のロックンロールは、空気をビリビリと震わせた。それを極上のバンドのフロントで歌うのだ。カッコいいと言うしかない。チバユウスケは、アーティストというより常にバンドマンだった。 揃いのブラックスーツで、パンクでホットなガレージロックを鳴らしたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(以下、TMGE)、元BLANKEY JET CITYの照井利幸(Ba)とASSFORTのMASATO(Dr)と組んだROSSO、そして骨太かつメロディアスなロックを貫くThe Birthday。どれも最高のライブバンドだ。

    追悼 チバユウスケ TMGE、The Birthday……鮮烈なロックを追求し続けた極上のフロントマン
    msdy
    msdy 2023/12/17
  • くるり×田中宗一郎が語り合う『感覚は道標』が2023年に生まれた意味 オリジナル編成で見出した“原点回帰ではない新しさ”

    くるり、14枚目のアルバム『感覚は道標』(10月4日発売)は、バンド結成時のドラマー・森信行を迎えて、オリジナル編成で制作された作品である。その制作過程を追いかけたバンド初のドキュメンタリー映画『くるりのえいが』 の公開も10月13日に迫る中、リアルサウンドでは前回(※1)に引き続き、くるりと音楽評論家・田中宗一郎による対談をセッティング。メンバー3人での再集結の経緯に始まり、スタジオ選び、サウンドやリズム、楽曲構造、歌詞……など、多方面から『感覚は道標』という作品を捉えていく。(編集部) 偶然と時の流れが実現させた、くるりのオリジナルメンバー再集結 ――今回、どんな経緯によってオリジナルメンバー3人でアルバムを作ることになったのでしょうか? 岸田繁(以下、岸田):今回が初めてじゃなく、これまでも何度か一緒にやっていたんですよ。イベントでリユニオン的にライブに出てもらったり、2回くらいプリ

    くるり×田中宗一郎が語り合う『感覚は道標』が2023年に生まれた意味 オリジナル編成で見出した“原点回帰ではない新しさ”
  • 『ぼっち・ざ・ろっく!』結束バンドが持つ楽曲の魅力は? アニメ&ロックファンを惹きつける邦楽バンド特有の“青臭いエモさ”

    ロックは、当に死んだのか? たしかにグローバルではヒップホップの音楽売上が、ロックのそれを上回って久しい昨今、日においてもDTMソフトを活用したソロアーティストの存在が目立つ。ティーンエイジャーが最初に音楽を始めようと考えたとき、バンド以外の選択肢を選ぶことも珍しくはなくなった。 バンドシーンの勢いがやや弱まっているように感じる時代において、紛れもないロックアルバムを叩きつけたバンドがいる。昨年放映されたアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』に登場する劇中のバンド、結束バンドだ。「陰キャならロックをやれ!」をキャッチフレーズに女子高校生がバンド活動に青春を燃やす物語の『ぼっち・ざ・ろっく!』。その主題歌や劇中歌を中心に収録されたセルフタイトルアルバム『結束バンド』は、オリコンチャートでもアルバムランキングで首位を獲得するなど大きな反響を呼んだ。もちろん、このようなセールス的な成功だけでなく、楽

    『ぼっち・ざ・ろっく!』結束バンドが持つ楽曲の魅力は? アニメ&ロックファンを惹きつける邦楽バンド特有の“青臭いエモさ”
    msdy
    msdy 2023/05/21
  • 『BLUE GIANT』がアニメーション映画化された意義 ジャズの演奏シーンに込められたもの

    音楽、青春を描いたアニメーション映画として、ひとつ次元の異なる作品が完成したという印象だ。石塚真一の漫画を原作に、“音”と“動き”を新たに表現した劇場アニメーション『BLUE GIANT』は、アニメファン以外にも、多くの観客を惹きつける力のある仕上がりとなっている。 ここでは、そんな作が映画化された意義や、達成したものを考えながら、日映画、アニメーションがジャズを題材にすることについて考えていきたい。 「オレは世界一のジャズプレイヤーになる」と志し、仙台の広瀬川の河川敷で、日々テナーサックスを吹き続けてきた高校生、宮大(みやもと・だい)。その夢を格的に始動させるため、卒業後に東京にやってきた彼が、同郷の玉田俊二(たまだ・しゅんじ)や、若手ピアニストの沢辺雪折(さわべ・ゆきのり)とともに18歳の若手バンド「JASS」を結成し、日有数のジャズクラブでの演奏を目指すというのが、作の

    『BLUE GIANT』がアニメーション映画化された意義 ジャズの演奏シーンに込められたもの
    msdy
    msdy 2023/03/05
  • くるりが田中宗一郎と語り合う、音楽作家として迎えた確かな変化 ポップと実験を往来してきた特異なアティテュードの変遷

    くるりが田中宗一郎と語り合う、音楽作家として迎えた確かな変化 ポップと実験を往来してきた特異なアティテュードの変遷 くるりの新作『愛の太陽 EP』が3月1日にリリースされた。映画やドラマのタイアップ曲を中心に、歌に重点を置いた6曲がパッケージされた同作は、岸田繁(Vo/Gt)曰く「全曲普通にいい曲よね」と思える楽曲がEPになるという、くるりとしては珍しいリリース形態。そんな作品性ゆえ、“聴き手に寄り添うくるり”と、“実験精神に溢れたくるり”という二面性に今一度思いを馳せたくなると同時に、特にこの10年のくるりのディスコグラフィと並べて聴いても違った感触を得られるEPと言えるだろう。 今回リアルサウンドでは、くるりの岸田、佐藤征史(Ba)と、初期から彼らの作品を追ってきた音楽評論家・田中宗一郎の鼎談をセッティング。アルバム『天才の愛』(2021年)を経て今作に繋がるモードを紐解いていくうちに

    くるりが田中宗一郎と語り合う、音楽作家として迎えた確かな変化 ポップと実験を往来してきた特異なアティテュードの変遷
  • BABYMETAL、“THE OTHER ONE”で気になる新展開も 歓声やウォール・オブ・デスを取り戻した1年9カ月ぶり復活ライブ

    BABYMETAL、“THE OTHER ONE”で気になる新展開も 歓声やウォール・オブ・デスを取り戻した1年9カ月ぶり復活ライブ BABYMETALが1月28日、29日に千葉・幕張メッセ国際展示場でワンマンライブ『BABYMETAL RETURNS - THE OTHER ONE -』を開催した。 画像ページはこちら 2021年10月10日をもって“LEGEND(=ライブ)”を封印してきたBABYMETAL。約1年9カ月ぶりの復活ライブにてBABYMETALは、10年間の活動のなかで築き上げてきた唯一無二のスタイルをブラッシュアップさせるとともに、この先の新たな展開を予感させるステージを繰り広げた。 10年間の活動を経て“LIVING LEGEND”になったBABYMETALが、バーチャルワールド“METALVERSE”を通じ、もうひとつのBABYMETALを復元させる計画“THE O

    BABYMETAL、“THE OTHER ONE”で気になる新展開も 歓声やウォール・オブ・デスを取り戻した1年9カ月ぶり復活ライブ
  • ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文に聞く ロックバンドは“低域”とどう向き合うべきか?

    連載:音楽機材とテクノロジー(第二回)後藤正文(�ASIAN KUNG-FU GENERATION) 2019.02.09 12:00 リアルサウンド テックの連載企画「音楽機材とテクノロジー」にて、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文にインタビューを行った。テーマの中心は、ロックバンドが今の時代に向き合う“低域“についてだ。 ここ最近、ブログやSNS、インタビューなどでも低域のサウンドの必要性について繰り返し発信している後藤。同時代のグローバルなシーンにアンテナを張るリスナーとしての感性と共に、プライベートスタジオである「Cold Brain Studio.」を設立したことも、その意識の背景にあったものとして大きかったようだ。エッセイ集『凍った脳みそ』(ミシマ社)でも、ユーモラスな文体を駆使しながら、スタジオを設立するまでの紆余曲折を書いている。 ASIAN KUN

    ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文に聞く ロックバンドは“低域”とどう向き合うべきか?
  • eastern youth 吉野寿が明かす、20歳の原点と50歳の今「音楽とギターを使って生き延びてやる」

    eastern youth 吉野寿が明かす、20歳の原点と50歳の今「音楽とギターを使って生き延びてやる」 結成30周年を迎えたeastern youthが、3曲入りのニューシングル『時計台の鐘』を11月14日にリリースする。2015年にベーシストの村岡ゆかが加入して以降、今年のフジロックに出演するなどライブ活動を精力的に展開する彼ら。 TVアニメ『ゴールデンカムイ』第二期エンディングテーマ(TOKYO MXほか)である表題曲を含む作でも、重層的なバンドサウンドを聞かせる一方で、歌詞の面では陰影に富んだ心情を歌い上げるなど、作詞作曲を手がける吉野寿の新境地を感じさせる。リアルサウンドでは、『ボトムオブザワールド』リリース時以来約3年ぶりのインタビューを行うにあたって、石井恵梨子氏をインタビュアーに迎え、バンドの現在地と吉野の作家的ルーツを探った。(編集部) 「内側だけで爆発してる人間のブ

    eastern youth 吉野寿が明かす、20歳の原点と50歳の今「音楽とギターを使って生き延びてやる」
  • YUIMETAL脱退のBABYMETAL、ユニットの変化と彼女の存在意義を追う - Real Sound|リアルサウンド

    BABYMETAL『Starlight』 2018年10月19日。芸能事務所・アミューズの公式サイトで、3人組のメタルダンスユニット・BABYMETALからYUIMETALが脱退することが発表された。人からの文面自体は彼女の“世をしのぶ仮の姿”であった水野由結としての声明となったが、ステージの中央に凛としてたたずむSU-METAL、両脇で天使のように駆け回る彼女とMOAMETALという絶対的だと思われたトライアングルが失われることに、ファンの間では大きな動揺が広がった。 正式に新体制を表明したユニットは、同月23日の幕張メッセ・イベントホール公演を皮切りに、さいたまスーパーアリーナや神戸ワールド記念ホールを巡った『BABYMETAL WORLD TOUR 2018 in JAPAN』を開催。今年5月にアメリカ・カンザスシティから始まった、彼女たちの道標となる物語「メタル・レジスタンス」の

    YUIMETAL脱退のBABYMETAL、ユニットの変化と彼女の存在意義を追う - Real Sound|リアルサウンド
    msdy
    msdy 2018/11/07
  • 振付師・ダンサーTAKAHIROが語る、欅坂46の表現が進化し続ける理由「言うならば、振付は器」

    J-POPシーンの最前線で活躍する振付師にスポットを当て、そのルーツや振付の矜持をインタビューで紐解いていく連載「振付から紐解くJ-POPの現在地」。第2回では欅坂46の多くの曲を手がけるダンスアーティスト・TAKAHIROを取材し、前編【欅坂46など手掛ける振付師・ダンサーTAKAHIRO、異端のキャリアとダンス論を語る】では、彼の特異なキャリアや、輝かしい功績の裏側で起こっていたことを、たっぷりと語ってもらった。後編では、欅坂46の振付がよりトリッキーに進化している理由や、他アーティストを含め、彼が手掛ける振付に共通するもの、ダンス活動をする人たちへのエールなどについて訊いた。(編集部) ■連載「振付から紐解くJ-POPの現在地」インデックス 第1回:s**tkingz 「欅坂46の強い歌詞ならこうなるのは当たり前」 ――ここからは欅坂46の振付について伺います。欅坂に関わることになっ

    振付師・ダンサーTAKAHIROが語る、欅坂46の表現が進化し続ける理由「言うならば、振付は器」
  • 欅坂46など手掛ける振付師・ダンサーTAKAHIRO、異端のキャリアとダンス論を語る

    J-POPシーンの最前線で活躍する振付師にスポットを当て、そのルーツや振付の矜持をインタビューで紐解いていく連載。第2回となる今回は、欅坂46の多くの曲を手がけるダンスアーティスト・TAKAHIROを取材した。18歳でダンスを始め、2004年に23歳で単身渡米した彼は、全米放送のコンテスト番組『Showtime At The Apollo』にてマイケル・ジャクソンを超える歴代最多の9大会連続優勝を打ち立て、世界にその才能を認められた。2009年にはマドンナのワールドツアー専属ダンサーとして活動、Newsweek誌で「世界が尊敬する日人100」に選出、ストリートダンサーとして初めて『情熱大陸』『徹子の部屋』に出演するなど、輝かしい功績を挙げれば暇がない。 世界で成功を収めたTAKAHIROが心に抱えていたコンプレックスとは? 欅坂46の振付がよりトリッキーに進化している理由は? TAKA

    欅坂46など手掛ける振付師・ダンサーTAKAHIRO、異端のキャリアとダンス論を語る
  • クリストファー・ノーランの到達点『ダンケルク』を観る前に復習しておきたい、00年代以降の「スペクタクル大作」10選

    クリストファー・ノーランの到達点『ダンケルク』を観る前に復習しておきたい、00年代以降の「スペクタクル大作」10選 クリストファー・ノーラン監督の最新作、『ダンケルク』の公開が近づいてきた。第二次世界大戦におけるダンケルクでの攻防と撤退を描いた作は、海外ではノーラン・ファンが過去最高レベルの大賛辞を送っているだけでなく、これまでノーラン作品に対して、主に好き嫌いを理由に煮え切らない評価を下してきた一部の批評家たちをも問答無用にノックアウトした。 出世作『メメント』(2000年)以降、ノーラン作品で最もコンパクトな106分という上映時間で展開される、史実に沿ったエモーショナルなストーリー。銃声や爆撃機のこれまで他の映画で聞いたことがないリアルな音響&音圧。盟友ハンス・ジマーの手がけたネクスト・レベルと言うべき荘厳な劇伴。フィオン・ホワイトヘッド、ワン・ダイレクションのハリー・スタイルズとい

    クリストファー・ノーランの到達点『ダンケルク』を観る前に復習しておきたい、00年代以降の「スペクタクル大作」10選
    msdy
    msdy 2017/09/03
  • BOOM BOOM SATELLITESは最後まで“究極のライブ”を見せた 二人の歩み凝縮したラストステージ

    BOOM BOOM SATELLITES(以下、BBS)が6月18日、新木場STUDIO COASTにてラストライブ『FRONT CHAPTER - THE FINAL SESSION - LAY YOUR HANDS ON ME SPECIAL LIVE』を開催した。昨年5月31日、最終オリジナル作品となった『LAY YOUR HANDS ON ME』の発売をもってその活動を終了することを発表したBBSだったが、同年10月9日に川島道行(Vo/Gt)が逝去。今年3月にベストアルバム『19972016』をリリースしたのを機に、ファンに向けたサプライズとしてこのラストライブ開催を発表。チケットが即日完売したこともあり、全国7都市の映画館にてライブビューイングが行われる盛況ぶりとなった。 開演を待つ間、場内には中野雅之(Ba/Prog)が6年ほど前に制作した“ミックステープ”が流れ、観客の期待

    BOOM BOOM SATELLITESは最後まで“究極のライブ”を見せた 二人の歩み凝縮したラストステージ
  • ねごと「DANCER IN THE HANABIRA」で果たした、中野雅之とのコラボレーションの“集大成”

    ねごと「DANCER IN THE HANABIRA」で果たした、中野雅之とのコラボレーションの“集大成” ねごとがニューシングル『DANCER IN THE HANABIRA』を発表。「アシンメトリ」、「シグナル」に続き、BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之をサウンドプロデュースに迎えた表題曲は、2月にリリースされたアルバム『ETERNALBEAT』の制作を経て新たにつかんだ今のねごとの核と、中野のサウンドメイキングがさらに高次元で融合した、両者のコラボレーションの集大成とも言うべき一曲に仕上がっている。 まずは、ねごとと中野のこれまでの歩みを簡単に振り返ってみよう。2015年に3rdアルバム『VISION』を発表後、楽曲制作とライブによって次の方向性を模索していたねごとは、徐々に「4つ打ちを基調とした踊れるサウンド」という路線に接近。その中で、「一音一音の説得力を上げる」

    ねごと「DANCER IN THE HANABIRA」で果たした、中野雅之とのコラボレーションの“集大成”
    msdy
    msdy 2017/06/27
  • 電気グルーヴのライブには二種類の“多幸感”があるーーZepp Tokyo公演レポート

    自ら“最高傑作”と称するアルバム『TROPICAL LOVE』のリリースを受けて、6都市7公演で行われた電気グルーヴの全国ツアー『TROPICAL LOVE TOUR』。その最終日となった3月25日、Zepp Tokyo公演を観て感じたことを、以下書き留めておくことにしよう。結論から言うと“多幸感”。面白さも狂気もない混ぜになった、得も言われぬ“多幸感”が、今の電気のライブにはあるのだった。 揃いのアロハにサングラスという出で立ちでステージに登場した石野卓球とピエール瀧。サポートに牛尾憲輔(agraph)を加えた、最近ではお馴染みの編成だ。「人間大統領」からスタートした編は、4曲目の「プエルトリコのひとりっ子」までシームレスに繋がってゆくなど、アルバムを完全に踏襲した流れだ。 そして、その後は「いちご娘」をリアレンジした楽曲「いちご娘はひとりっ子」、今の季節を意識したのかアルバム『KAR

    電気グルーヴのライブには二種類の“多幸感”があるーーZepp Tokyo公演レポート
  • ねごとは“自由”を志向し続けるーーバンドの今を体現した『ETERNALBEAT』ツアー

    ねごとが、2月に発売したニューアルバム『ETERNALBEAT』のリリースツアーが全国10カ所で開催され、3月24日の東京・Zepp DiverCity公演でファイナルを迎えた。『ETERNALBEAT』と『アシンメトリ e.p.』の収録曲13曲に、既発4曲を加える形で組まれたこの日のセットリストは、まさに「今」のねごとを体現するもので、「完全『ETERNALBEAT』仕様」のライブだったと言えよう。 最も注目すべきポイントは、何と言っても楽曲の再現度の高さ。『ETERNALBEAT』という作品は、「ねごとなりのダンスミュージック」を追求すべく、ひとまずライブでの再現性は度外視し、打ち込みと生演奏を融合させて、一曲一曲の世界観を可能な限り研ぎ澄ませた、純度の高い作品であった。それがゆえに、「はたしてこのアルバムをどうステージで再現するのか?」ということに関しては、期待と不安の両方があったわ

  • BOOM BOOM SATELLITES、最後の作品に刻んだ19年の歩み 中野雅之のトーク+映像上映会レポ

    BOOM BOOM SATELLITESが2月28日、東京・新宿バルト9にて『「19972016 LIVE & DOCUMENT」上映会 + トークセッション』を行った。このイベントは、3月1日にリリースしたベストアルバム『19972016』を記念して開催されたもので、全国の映画館でライブビューイングとして中継された。同作に付属する映像作品の上映前には、中野雅之がステージに登壇し、同作の制作や選曲、2016年10月9日に脳腫瘍のため逝去した川島道行への思い、そして自身のこれからについて語った。 鹿野淳(MUSICA)氏が司会を務めた前半のトークショーで、まず、中野は2016年9月中旬から年明けにかけて今回のベストアルバムを制作したことを明かしながら、以下のように話した。 「(選曲に関しては)バンドのありようが見えてくればいい、というシンプルな理由です。“Greatest Hits”的なこと

    BOOM BOOM SATELLITES、最後の作品に刻んだ19年の歩み 中野雅之のトーク+映像上映会レポ
    msdy
    msdy 2017/03/09
  • くるりは“現在”を鳴らし続けるーーベスト盤『くるりの20回転』リリース記念ツアーレポート

    くるりはあっさりと歳月を飛び越えてしまう。楽曲の強度と演奏のフィジカルさは、ノスタルジーを寄せつけない。くるりは、どの楽曲を誰と演奏しようと、ただ「現在」にいた。 2017年2月27日、『『くるりの20回転』リリース記念ツアー「チミの名は。」』の東京公演初日がZepp DiverCity TOKYOで開催された。 今回のツアーは、くるりの結成20周年記念オールタイムベストアルバム『くるりの20回転』のリリースを受けて行われたもの。『くるりの20回転』は、これまでのすべてのシングル曲を収録していることもあり、2日間の東京公演はともにソールドアウトしていた。 くるりは『NOW AND THEN』シリーズで、かつてリリースしたアルバムの再演ライブをたびたび行ってきた。そこに『『くるりの20回転』リリース記念ツアー「チミの名は。」』である。どの楽曲を演奏するのか、開演前から期待は高まった。 この日

    くるりは“現在”を鳴らし続けるーーベスト盤『くるりの20回転』リリース記念ツアーレポート
  • 電気グルーヴが語る、楽曲制作の流儀「悲しみや怒りを無理やり同意させるのはカッコ悪い」

    3月1日、電気グルーヴがニューアルバム『TROPICAL LOVE』をリリースする。同作は、4年ぶりのオリジナルアルバムで、ゲストに夏木マリ、KenKen(RIZE、 Dragon Ash,、LIFE IS GROOVE)、トミタ栞らが参加した。 今回の制作にあたり、石野卓球とピエール瀧は3日間の合宿を行い、歌録り以外のほとんどを、Mac音楽制作ソフトGarageBandで作っていったという。そうして完成した『TROPICAL LOVE』は、電気グルーヴの“最高傑作”であると、以下のインタビューの中で石野卓球は語っている。2015年年末から2016年にかけて公開され、ファン以外からも大きな反響のあったドキュメンタリー映画『DENKI GROOVE THE MOVIE? 〜石野卓球とピエール瀧〜』を経た、今の電気グルーヴのモードとは。ふたりに話を訊いた。(編集部) 「間違いなく最高傑作だと

    電気グルーヴが語る、楽曲制作の流儀「悲しみや怒りを無理やり同意させるのはカッコ悪い」
  • UKロック好きアイドル・NMB48 薮下柊×クーラ・シェイカーの異色対談実現 互いの音楽観を語り合う

    かねてから自身のブログ内のコーナー『薮下柊のナイッシューな気まぐレビュー』で80年代後半〜90年代のUKロックへの情熱を書き綴り、アイドル界でも随一の音楽マニアぶりをみせているNMB48の薮下柊。そんな彼女が、12月28日発売の『Top Yell NEO』(竹書房)内で、11月21日に来日公演を行なったクーラ・シェイカーとの異色対談を行なった。リアルサウンドでは『Top Yell NEO』とタッグを組み、発売より一足先に記事の一部を抜粋して紹介。彼女がUKロックに傾倒した理由や、クーラ・シェイカーの音楽観などについて語っており、先日卒業を発表した藪下にとっても、これをみるファンにとっても貴重な機会といえるだろう。なお、『Top Yell NEO』には「オリジナルな存在であることの難しさ」「日アイドル・カルチャー」「来日時の生活」などについての話を含む、対談の完全版を収録している。(編

    UKロック好きアイドル・NMB48 薮下柊×クーラ・シェイカーの異色対談実現 互いの音楽観を語り合う