バトルスの新作リリース&来日公演や、トータスの7年ぶりの復活など、このところ俄かにポスト・ロック熱が再燃しているが、日本を代表するポスト・ロック・バンドといえば、Spangle call Lilli lineを置いては語れない。クールで洗練されつつも実験性を感じさせるバンド・アンサンブルと、仄かな叙情性を湛えたメロディー、シュールだが、なぜか心に引っ掛かる歌詞の世界――そのすべてが唯一無二の存在として、結成から15年を過ぎたいまなお圧倒的な魅力を放っている。 そんな彼らが、オリジナル・アルバムとしては前作『forest at the head of a river』からおよそ5年ぶり、通算9作目となる『ghost is dead』を完成させた。共同プロデューサーとして名を連ねているのは、カヒミ・カリィや坂本美雨、Port of Notesなどを手掛けてきた神田朋樹。音数を極限まで削ぎ落とし