糸やぜんまいなどで動き、江戸時代に盛んに作られたからくり人形に魅せられ、人形作家になった元トヨタマンのエンジニアがいる。10月下旬、ロシア・モスクワである国際人形劇フェスティバルで、初めて海外公演をする。「ロシアの人たちに機械仕掛けの動きの面白さを知って欲しい」と意気込んでいる。 ロシア公演に参加するのは愛知県豊田市の山崎津義(つよし)さん(79)。フェスティバルは10月25~31日にモスクワ人形劇場であり、名古屋市などに住むからくり人形の仲間2人とともに、山崎さんが作った「茶運び」や「流鏑馬(やぶさめ)」、「文字書き」などのからくり人形五つを披露する。 山崎さんはかつて、トヨタ自動車でエンジンの開発を担当するエンジニアだった。働き盛りの30代半ばごろ、「会社で働くだけの人生でいいのか。幅を広げたい」と、ふと思い、仕事以外にも熱中できることを探した。 最初はアーチェリー。その次…