ただし鯨は自然界に存在する生物であり、これを怪獣と呼ぶのは厳しい。お化けは恨みを晴らすという理由はあるが、実体を持たないのだから怪獣ではない。それなら妖怪はというと、彼らは存在する理由も登場する理屈も持っていない。妖怪退治は、もともとそこにいたものに、ヒーローが遭遇するというようなパターンがほとんどである。 これが明治だとどうなるのかといえば、実はあまり代わり映えしない。しかし巨大怪獣に関して、明治時代になんら進歩することなく、江戸と同じ感覚で人々が過し続けたというのは理屈に合わない。 宍戸源八郎という怪力の武士がロシアに渡り、エリザベス女王の前で、象を一本背負い(正確には二本背負い)で転がした後に、寝技を決め日本刀で一刀両断にしている。この作品に出てくる象は、次のような特徴を持っている。 体重は550kgあるインドで捕まえたものである宍戸源八郎を殺すために登場した鼻を使い相手を取って投げ
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