いのちの食べかたを、子どもと一緒に学ぶ。 表紙は子豚、裏は腸詰、つまりブタがソーセージになるまでを写真でつづる。屠畜の現場もあるが、屠畜そのものを全面に押し出していない。妊娠、分娩から離乳、よちよち歩きから10ヶ月の若豚までを、その生活に寄り添って写しとる。そして屠場から肉になるまで、さらに次の誕生までを同じ流れで見せてくれる。 これは、ありがたい。小学校低学年と高学年の二人が一緒に読むのに、ちょうどいいから。というのも、内澤旬子著「世界屠畜紀行」は早すぎるし、森達也著「いのちの食べかた」は一緒に読むには難しいから。 屠畜をテーマにすると、どうしても「場所」の話になってしまう。だが、そこへ行くまでの長い間、子どもは「食べられるサイズになるまで」成長してきたのだ。その「時間」をきっちり見せてくれる。解体現場を克明に写すことで、「ほら見てこれが現実なんだよ」と教えることもできるが、低学年にはキ