『グーテンベルグからグーグルへ』という翻訳書の筆頭訳者・明星聖子の訳者あとがきでの暴走ぶりが生半可じゃない。「私、この『編集文献学』って学問、好きじゃないかもしれない、いや、嫌い。嫌なんです。文学の後衛でぬくぬくしていたいんです」といった感じである。 さらに、岩波書店の『漱石全集』の新しいのが出て、編纂者の名前がないことに気づいた明星は、岩波の編集者である秋山豊の本を読んで、これまで編集委員などとなっていた荒正人や小宮豊隆は、漱石の生原稿を「見た」と言ってもちらっと見ただけで細かい校訂作業はしていないとあるのを見てショックを受ける。 「全集」の編集委員に名前が出ている偉い人、たとえば井上靖などが、実際にはほとんど何もしていないことは常識で、明星という人は年齢不詳だが、多分私の三つ下くらいで、ずいぶんナイーヴだな、と思うのだが、そもそも漱石とか谷崎とか、普通に書いたものを活字にしてきた作家は
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