アメリカでは、薬物のまん延が過去最悪の事態になっています。薬物の過剰摂取による死者は年間7万人を超えました。交通事故や銃による死者数をも上回る数で、1日平均200人近くが命を落としている計算です。 新たな薬物「フェンタニル」が急速に広まっているためです。 被害が深刻化している地域を訪ねると、薬物がごく普通の市民をむしばむ、壮絶な現実を目の当たりにしました。(ワシントン支局記者 西河篤俊) アメリカでいま、薬物問題の、いわば“主役”になっているのが「フェンタニル」です。 高揚感が得られ、ヘロインの50倍の強さがあると言われています。 あまりに強力なため、摂取して死に至るケースがあとを絶ちません。ここ数年で爆発的に広がり、死者は年間2万8000人を超え、ヘロインやコカインをはるかに上回っています。 そもそもアメリカで薬物依存者が多い背景には、20年ほど前から、けがなどの痛みを和らげるために、オ
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