先日の記事 (上極限の記法 (LaTeX)) に引き続き,LaTeX の使い方についてメモしておきたい. ディラックの記法 量子力学で,量子の状態や内積を表現するために便利なディラックの記法(ブラケット記法,Bra-ket_notation) というものがある.LaTeX でこの記法を使おうとするとき,ケットベクトルやブラベクトルはそれぞれ \left|\varphi\right\rangle,\left\langle\psi\right| と簡単に書けるのだが,ブラケット(内積)がうまくいかなかった.たとえば,\left\langle\varphi|\frac{\psi}{a}\right\rangle などとやっても,中の「|」の高さが調節されない(図1参照). 図1 「|」の高さを式全体の高さに合わせるのは難しく,いろいろと試行錯誤していたのだが,最近 braket.sty というス