長谷川町蔵の文章: ラスト・アメリカン・ムービー『サウスランド・テイルズ』2008年4月6日 ラスト・アメリカン・ムービー『サウスランド・テイルズ』 2005年、アメリカの建国記念日にテキサス州アビリーンに核によるテロ攻撃がおこなわれた。アメリカはシリア、イラン、北朝鮮、アフガニスタンを相手に第３次世界大戦に突入。徴兵制が復活し、州間移動にもビザが必要な戒厳令が敷かれ、個人の行動は特務機関”US認証”によってネットで監視されるようになった。 その3年後の2008年、共和党選出の大統領候補ボビー・フロストの娘婿で映画スターのボクサー・サンタロス（ザ・ロック）が行方不明に。３日後、記憶を失った彼は妻（マンデイ・ムーア）の許には帰らず、ケーブルテレビに番組を持つポルノ女優クリスタ・ナウ（サラ・ミシェルゲラー）とともに映画『ザ・パワー』の脚本を書き始める。それは超能力を持った刑事が、犯罪増加の原因は地球の自転の減速にあることを突き止めるSFミステリーだった。 そんな彼を
