日本人のノーベル賞候補が話題になるといつも感じることがある。ノーベル賞を取る日本人には、日本の大学から出て行った人がかなりいるのはなぜか、という点だ。海外に研究拠点や住居までも移してしまっている。 たとえば、2014年にノーベル物理学賞を受賞した元日亜化学工業の中村修二氏も日本を捨てている。筆者は中村氏の講演を聞いたことがあるが、冗談交じりに「日本では産学連携で国立大学の教員が企業と一緒に先端的な研究をしていたら、贈収賄で捕まることもあるかもしれない」と語っていた。 大学など日本の研究機関は「異端者」を評価しない傾向にある。それ故優秀な研究者は日本に嫌気して、「おさらば」しているのだろう。 「異端者」は率直な物言いをし、周囲と摩擦を起こす。だから「異端者」なのだが、要は日本の研究機関は「うるさいやつ」を嫌うのだ。学会の仲間内で論文を評価し合い、その評価が研究者としての出世につながる傾向が強
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