山陰でも各地で「まちの本屋」が姿を消している。全国で書店の閉店が相次ぎ、このままでいくと2028年には、多くの街から書店が姿を消すと警鐘を鳴らす専門家もいる。国も「書店振興プロジェクトチーム」を立ち上げるなど、対策に乗り出した「書店衰退」の背景を取材した。 ネット普及で「リアル書店」が苦戦 島根・西部の大田市で、「やはり寂しい、あったものがなくなるというのは」と市民が振り返るのは、2024年3月末に閉店した書店「ブックセンタージャスト大田店」だ。 人口3万1000人余りの大田市も、これで“書店ゼロ”の地域になってしまった。 この記事の画像(16枚) 国内の書店の数は、2023年の時点で、約1万1000店。ここ20年で半分にまで減少し、新刊や雑誌を扱う本屋がない、いわゆる「書店ゼロ」となった市町村の割合は、島根県が26.3%、鳥取県が36.8%。島根・鳥取両県では3割前後が書店の“空白地域”