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ブックマーク / www.webchikuma.jp (11)

  • 久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について 蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第17回を「ちくま」1月号より転載します。昨秋に開催された小津安二郎生誕百二十周年のメモリアル・イベントは、なぜ失望のうちに終わってしまったのか。その二十年前、著者自身も深く関わった生誕百年・没後四十年の記念イベントとの違いを思い起こします。ご覧下さい。 なかには例外的に聡明な個体も混じってはいるが、これからこの文章を書こうとしているわたくし自身もその一員であるところの人類というものは、国籍、性別、年齢の違いにもかかわらず、おしなべて「愚かなもの」であるという経験則を強く意識してからかなりの時間が経っているので、その「愚かさ」にあえて苛立つこともなく晩期高齢者としての生活をおしなべて平穏に過ごしている。ところ

    久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
    mugi-yama
    mugi-yama 2024/01/19
    山根貞男亡くなったの知らんかった…
  • 二十一世紀の日本の首都に於ける超高層ビルの林立はその国の凋落を予言しているように思えてならない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第15回を「ちくま」9月号より転載します。延々とつづく渋谷駅周辺の再開発。東横線の地下化はじめ誰も便利になったとは思っていないはずの一連の大工事は都市再開発法によると「公共の福祉に寄与することを目的とする」そうなのだが、当に? との疑問についてお話しさせていただきます。 避けようもない暑い日ざしを顔一面に受けとめながら、タワーレコードの渋谷店で購入した海外の雑誌を手にしてスクランブル交差点にさしかかると、すんでの所で信号が赤となってしまう。階段を降りて地下の通路に向かう方法もあるにはあったが、年齢故の足元のおぼつかなさから灼熱の地上に立ったまま青信号を待つことにしていると、いきなり、かたわらから、女性の声がフランス語で響いてくる。ふと視線を向けると、「そう、シブーヤは素晴らしい」と「ウ」の部分をアクセントで強調しながら、スマホを顎のあたりにあてた外

    二十一世紀の日本の首都に於ける超高層ビルの林立はその国の凋落を予言しているように思えてならない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
    mugi-yama
    mugi-yama 2023/09/22
    いろんな感想があってもいいとは思うけど人の名前を間違えて書くのは失礼。あとこのフランス人女性は夫人ではないでしょ。
  • 重要なのは「マイナ・保険証 一本化」への賛否などではなく「マイナ」という醜悪な語彙を口にせずにおくことだ|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第14回を「ちくま」7月号より転載します。いまなおメディアをにぎわせつづける「マイナ」という略語が誰にとっての「マイ」かも判然としないまま、むしろそれを覆い隠さんとするかのように醜く繁茂する邦の惨状について。 解約するのが億劫なのでつい自堕落に購読し続けている首都圏向けのさる地方紙によると、ついせんだっての朝刊の一面に「保険証廃止し統一/マイナ改正案可決」の文字が二行にわたって比較的大きな活字で印刷され、その下に「参院特別委」の文字が横組みで読める。だがそれにしても、この「マイナ」とはいったい何か。それがいかなる言葉の略語であろうぐらいのことは、およその想像がつく。だが、それにしても、「マイナ改正案」なる雑駁な語彙は、いくら新聞社が「マスメディア」としての機能を放棄しつつある冬の時代だとはいえ、日刊紙の一面に堂々と印刷さるべきものなのだろうか。 リ

    重要なのは「マイナ・保険証 一本化」への賛否などではなく「マイナ」という醜悪な語彙を口にせずにおくことだ|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
    mugi-yama
    mugi-yama 2023/07/14
    ウーンそう言われリャそうかもしれないけどナー
  • またぞろ大江健三郎の「にがい、、、コオフィ」を論じることになるが、間違っても二番煎とはならぬので安心されたい|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第12回を「ちくま」3月号より転載します。同世代の大作家との意外な類似点をあげて、反響の大きかった第10回の余波について。 何しろこれは隔月連載なので、前々回といってもすでに数ヶ月前のことになってしまうが、珈琲とそれに加えるべき砂糖の量の過多をめぐるこの老齢者の記述があちらこちらで話題になり、いささか恥ずかしい思いを抱かされた。『この世には、どうやら珈琲にたっぷりと砂糖を入れねば気のすまぬ世代というものが存在しているようだ』というのがその文章の題名だったが、「存在している」ではなく「ようだ」と断言を避けているところが味噌といえば味噌だといえる。 とはいえ、お他人さま一般というものには信頼などおいていない人間なので、それが現実の事態として機能しているとは到底思いかねるあの「承認欲求」とやらが充たされたというわけでは勿論なく、世の中には暇なお方が不特定多

    またぞろ大江健三郎の「にがい、、、コオフィ」を論じることになるが、間違っても二番煎とはならぬので安心されたい|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
  • 政府は、いざという瞬間に、国民の生命を防衛しようとする意志などこれっぽっちも持ってはいないと判断せざるをえない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの短期集中連載時評「些事にこだわり」第9回を「ちくま」9月号より転載します。安倍元首相の突然の暗殺をめぐってあらわになるこの国の底の抜け方について。 些事にもあたらぬごく他愛のないできごととして処理されてしまったので多くの方がすでに忘れておられるとは思うが、まだ世の中があの「平成」というごくぶっきらぼうな年号だった時期に、俗にいう「首相官邸無人機落下事件」という不穏なできごとが起こっていた。あるとき、職員の一人が、官邸の屋上ヘリポート近くに、いつからそこに位置していたのかまったく不明な黒塗りのドローンを発見したというのである。それがごく普通な一人の職員によってなされたもので、首相の身辺警護にあたる専門職の一員でなかったことが、事態に不穏な色合いをにわかに高めることになる。この国は、自衛隊という組織の存在にもかかわらず、こと防衛に関しては、ほぼ素人同然のことしかやっていそうにない

    政府は、いざという瞬間に、国民の生命を防衛しようとする意志などこれっぽっちも持ってはいないと判断せざるをえない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
    mugi-yama
    mugi-yama 2022/09/13
    蓮實先生が日本政府の心配をし始めるレベル
  • オリンピックなどやりたい奴が勝手にやればよろしい|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの短期集中連載時評「些事にこだわり」第1回を「ちくま」5月号より転載します。東京オリンピックは2020のみならず1964もたいがいロクなものではなかった!? どちらかといえばスポーツが好きな人間なので、オリンピックという何やら禍々しい国家的な行事にはあまり関心が向かない。だからといって、その開催に断乎反対というほどの強い執着を持っているわけでもない。やりたい奴がいるなら勝手にやればよろしいというだけの話である。ただ、少なからず存在しているオリンピックへの無関心層を、「日の丸=君が代」騒動に巻き込むなとだけはいっておきたい。その思いは、例えばサッカーワールドカップについてもいえることで、国を背負って優劣を競いあう競技などと、選手たちがそれを意識した瞬間にスポーツであることをやめてしまう。 例えば、いま終わったばかりのサッカー2022カタール大会の二次予選で日がモンゴルを14対

    オリンピックなどやりたい奴が勝手にやればよろしい|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
    mugi-yama
    mugi-yama 2021/06/11
    蓮實先生むっちゃ詳しいなw
  • 「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|大塚 英志|webちくま(1/4)

    5月4日、厚生労働省が新型コロナウィルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました。感染対策のために、「手洗いや消毒」「咳エチケットの徹底」といった対策を日常生活に取り入れることだけでなく、会話や事、働き方など様々な領域における行動について指針を示しています。 この「新しい生活様式」という言葉から、戦時下に提唱された「新生活体制」を想起するという大塚英志さんに、エッセイを寄せていただきました。 テレビの向こう側で滔々と説かれるコロナ下の「新しい生活様式」なる語の響きにどうにも不快な既視感がある。それは政治が人々の生活や日常という私権に介入することの不快さだけではない。近衛新体制で提唱された「新生活体制」を想起させるからだ。 かつて日が戦時下、近衛文麿が大政翼賛会を組織し、第二次近衛内閣で「新体制運動」を開始。その「新体制」は、経済、産業のみならず、教育文化、そして何より「日常」に及ん

    「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|大塚 英志|webちくま(1/4)
  • 【特別掲載】大疫病の年に|特別掲載・大疫病の年に|マイク・デイヴィス,重田 園江|webちくま(1/2)

    2019年末、中国・武漢に発したとされる新型コロナウィルスは、第二次大戦後最悪ともいわれるペースで世界各地に感染を広げています。なぜ現代世界は新種のウィルスにかくも脆弱になってしまったのか。世界でいま何が起こっていて、これから何が私たちを待ち受けているのか。『感染爆発』などの著作があるアメリカの社会学者マイク・デイヴィスがその核心に肉薄した最重要論考を、Jacobin誌の許可を得て特別に掲載します。 コロナウィルスが世界を駆けめぐっている。われわれの治療能力は言うに及ばず、検査能力すら追いつかないスピードで。いつか出現すると危惧されてきたこの怪物ウィルスは、とうとうすぐそこ、玄関口までやってきた[i]。このようなバイオ危機に対してグローバル資主義は全く無力なので、国際的規模のきちんとした公的保健インフラを要求していかなければならない。 コロナウィルスは古い映画のようだ。1994年のリチャ

    【特別掲載】大疫病の年に|特別掲載・大疫病の年に|マイク・デイヴィス,重田 園江|webちくま(1/2)
  • round.6 『声の物語』『1984』『侍女の物語』『82年生まれ、キム・ジヨン』|フェミニスト両手ぶらり旅|金田 淳子|webちくま(1/2)

    漫画・アニメ・小説ゲーム……さまざまな文化表象に、萌えジャージにBLTシャツの粋なフェミニストが両手ぶらりで挑みます。うなれ、必殺クロスカウンター!! (バナーイラスト・題字:竹内佐千子) 賢明なる読者の皆さんは、2カ月以上、この連載が更新されないのを見て、金田さん、とうとう「刃牙」シリーズのせいで脳細胞まで筋肉になって……と、何かを納得していると思う。 いや、もちろん「刃牙」シリーズは1日30時間読んでいるが、その他にも、いろんなジャンルの作品に親しんでいる。とはいえ、私の見聞の範囲が狭いせいで、この連載の題材にできるような作品が見つからないのだ。 この連載をはじめる前に、私は「この世には、ほぼ無限に作品(講演、研究なども含む)があって、そこから自由に題材を選んでいいのだから、この連載では、けなす目的で何かを取り上げることはしない。私の考えるフェミニズムの視点から、誉められる作品だけ取

    round.6 『声の物語』『1984』『侍女の物語』『82年生まれ、キム・ジヨン』|フェミニスト両手ぶらり旅|金田 淳子|webちくま(1/2)
    mugi-yama
    mugi-yama 2019/06/29
    カネジュン先生の「1984年」評はどこで読めますか?
  • 【第54回】観光客が嫌いだ|遠い地平、低い視点|橋本 治|webちくま

    「観光(ツーリズム)なんて誰が考えたんだ。なんにも知らないバカな観光客が町をうろうろして、邪魔臭いったらありゃしない」という歌をご存じですか? 正確な歌詞は忘れましたが、「バカな観光客が町に氾濫するのはいやだ」ということだけは動きません。 この歌が登場するのは、一九五〇年代のデヴィッド・リーン監督の映画『旅情』の冒頭です。アメリカの学校職員をやっている独身女性が金を貯めて、夏休みにヴェニスにやって来て束の間の恋に落ちるという、とても切ない恋愛映画ですね。なにしろこの主人公を演じるのがキャサリーン・ヘップバーンだから、彼女が横を向いて視線を動かしただけで特別な感情が生まれる。 アメリカ人のハイミスと、もう白髪まじりの正体不明のイタリア人―もしかしたらプロのスケこましかもしれない男(ロッサノ・ブラッツィ)の束の間の恋は戦後間もない日人の心に響いて、主題歌の『サマータイム・イン・ヴェニス』(観

    【第54回】観光客が嫌いだ|遠い地平、低い視点|橋本 治|webちくま
    mugi-yama
    mugi-yama 2019/01/29
    東京オリンピックを見なかった橋本さん、よかったんだかどうなんだか…
  • 「リベラルはどこがダメか」を検証する(斎藤美奈子)|世の中ラボ 第75回|webちくま

    ただいま話題のあのニュースや流行の出来事を、毎月3冊の関連を選んで論じます。書評として読んでもよし、時評として読んでもよし。「を読まないと分からないことがある」ことがよく分かる、目から鱗がはらはら落ちます。PR誌「ちくま」7月号より転載 七月一〇日に投開票が行われる参院選。与党の自民公明を含め、改憲勢力が三分の二以上の議席を占めれば、憲法公布以来はじめて憲法改正が発議される可能性がでてきた。 野党側もさすがに危機感を覚え、全国のすべての一人区に、民進党、共産党、社民党、生活の党の四党の統一候補を立てる野党連合が成立した。共闘の音頭をとったのは共産党。これまで必ず独自候補を立ててきた共産党の譲歩は喝采すべきだ。安倍政治はもうたくさん。私も野党側に勝ってほしいと切に願っている。 なんだけど、ほんとに勝てるかとなると「今度もダメなんちゃう?」という疑念も禁じ得ない。疑念というか半ば確信だな。

    「リベラルはどこがダメか」を検証する(斎藤美奈子)|世の中ラボ 第75回|webちくま
    mugi-yama
    mugi-yama 2016/07/15
    (斎藤美奈子が「アニメやアイドルに手を出した」なんてことあったっけ?)
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