murasaki_kairoのブックマーク (24)

  • ユリイカ201805号「今月の作品」で佳作を頂いたこと - ムラサキの文学日記

    ハガキ職人の村崎です(笑) すっかりブログはご無沙汰になっておりました。詩と評論の文芸誌「ユリイカ」の「今月の作品」に毎月投稿をしております。 この度、投稿した詩に佳作を頂きました。ありがたいことです。選者をしておられる水無田気流先生に拙作を過分に評価して下さったこと深く感謝いたします。 また日頃ブログで温かに交流して下さる皆様にも同じく感謝を尽くすところでございます。 さてこれまでに評価された二作から「詩の何たるか」が見える気もしますので今日はその概略についてお話します。 少し長いお話です。単なる独り言ですので、読み飛ばして下さって結構です。 「詩のなんたるかについて考えてみた話」 評価を頂いた二作(「トイレタンクから水がチョロチョロ」「春の海/シーグラス」)はどちらも「日常」がポエジーへと転移していくことで、詩となっていたように思われます。 今回の作品「春の海、シーグラス」の中で「私」

    ユリイカ201805号「今月の作品」で佳作を頂いたこと - ムラサキの文学日記
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/04/30
    URURUNDOさん、ブックマークありがとうございました!また私の拙い詩を読んで下さりありがとうございました。 m(__)m
  • ベニカタバミの塊根について - ムラサキの文学日記

    こんにちは、詩人の村崎です。 今日は我が家のお庭の話です。 この記事を書いた後にも少し調べ物をしまして理解が深まったので追記しております。 (初出20180331 追記20180331) --------- 新居に移り初めての春である。 庭の雑草を抜いているが、小さな三つ葉の雑草が抜けなくて困っていた。 抜こうとらするとブチブチ切れるので地下の根が残ってしまう。 困ったなあと思っているうちに庭がすっかりこの三つ葉群に支配されてしまった。 そもそも、これは何だ。と腹立たしく思っていると我が家の小さな妖精が「これはカタバミだ」と教えてくれた。 なるほど「カタバミ」か。 だが、我が家のカタバミは明らかに二種類いる。一つは葉も根も弱々しく抜こうとするとすぐに千切れて抜けない奴。如何にも雑草である。 もう一つは葉が肉厚で豪壮。前者に比べると丈夫である。 これは一体どういうわけか。種類が異なるのか、そ

    ベニカタバミの塊根について - ムラサキの文学日記
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/04/02
    konmaさんブクマありがとうございます!貧乏性なのでこのような存在感を見ると何かに用立てないかと考えてしまいます(笑)
  • クレオパトラの夢 バド・パウエルと高瀬アキ - ムラサキの文学日記

    ピアノとウッドベース、ドラムのトリオ。なんてスリリングな編成だろう。 バド・パウエルのクレオパトラの夢に因んだ短編小説を書くにあたって、クレジットを確認した時の感想だ。 だってスモークが立ち込める薄暗いバーのステージにピアノとウッドベースとドラムしかない。 ピアノはバド・パウエル、ベースはポール・チェンバース、ドラムはアート・テイラーの三人。 彼らがバックライトに照らされてシルエットになっている。 そんなスチール写真がもし残っていたとしたら完璧な構図にきっと言葉をなくす。 緊張と興奮が伝わってくる。 其処には無駄が全くないから。 Cleopatra's Dream クレオパトラの夢はかつてのジャズブームでも一世を博したナンバーだ。 時々CMでも使われている。 口ずさむことができるほどメロディがしっかりしている。曲調がオリエンタルで蠱惑的。 誰だって好きだ、こんな曲。愛してる。 最近、「Ak

    クレオパトラの夢 バド・パウエルと高瀬アキ - ムラサキの文学日記
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/02/24
    konmaさん、コメントありがとうございます。音楽つながりというか、音楽ができないつながりというか(笑) サークル的なノリが楽しいですね。 駄文にお付き合い下さり、皆様には感謝です。 m(__)m
  • シュールでキュートな生きもの図解。ぬまがさワタリさん『図解 なんかへんな生きもの』- 4週連続書籍プレゼント企画第3弾 - 週刊はてなブログ

    ※キャンペーンは終了しました。たくさんのご応募、ありがとうございました。 自分のブログが書籍として店頭に並ぶ。 ブログを運営していると、一度は夢見る人も多いのではないでしょうか。2017年12月に、はてなブログをご利用いただいているハルオサン(id:Haruosan)さん、pha(id:pha)さん、 ぬまがさワタリ(id:numagasa)さん、和田哲哉(id:wabysprg)さんの4名が、それぞれ書籍を発売しました。 そこで、週刊はてなブログ編集部は、ブログと書籍について4名にメールインタビューを実施。おすすめページや、を出版する上でのブログの果たす役割などをお聞きしました。 この記事は、4週連続でお届けする企画の第3弾です。記事の最後に、書籍を抽選でプレゼントするキャンペーン情報も用意しています。 『図解 なんかへんな生きもの』ぬまがさワタリ 生き物の生態を描いたイラストがブログ

    シュールでキュートな生きもの図解。ぬまがさワタリさん『図解 なんかへんな生きもの』- 4週連続書籍プレゼント企画第3弾 - 週刊はてなブログ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/02/21
    生き物好きです。へんな生き物系の本も好き。絵が可愛くて楽しくなりますね。
  • 雪がすごすぎる - Narutoの日々精進

    金沢の浅野川大橋。 東京から金沢に引っ越してきてもうすぐ7年目だけど、 こんなに降るなんて初体験だよ❄️❄️❄️ これは昨日の昼撮った写真なので、今はさらにすごいことになってると思う😱 ↓ランキングに参加しています。

    雪がすごすぎる - Narutoの日々精進
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/02/07
    ニュースでも見ましたが雪凄いですね!これは大丈夫ですか?お怪我などなされませんようお気をつけ下さい。
  • 殺人するか心中するかそれが問題だ|ムラサキ

    春が近付いた。 箱崎はこの三日ほど悩んでいる。 を殺してしまおうか、と。 悩みはもう一つある。 自分も死んでしまおうか、と。 箱崎は細かいことに拘らない男であったので、三日も悩むと悩むことにも疲れてきて、どうせ悩むなら旅行でもしながら悩むことに決めた。 傷心旅行ならぬ懊悩旅行である。 行く先は東北に決めた。平泉を北上して盛岡、青森を寄り道しながら竜飛岬まで行くつもりだ。 閑散期のため宿は比較的簡単に取れた。 二年前に免許証を返納してしまったので、電車の切符も取った。特急にしようかと思ったが確たる目的があるわけでなし鈍行にした。 何をか察して嫌がるを説き伏せて、荷造りを終えて我が家を後にした。 上野から延々鈍行に揺られ平泉に着いたのは夕方だった。宿に荷物を置いてを連れて散歩に出た。 平泉の目的は中尊寺であった。奥州藤原氏の盛衰を身に沁みませながら此度の旅行に思いを馳せたかった。 金色堂

    殺人するか心中するかそれが問題だ|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/01/19
    短編小説を書きました。うーん改稿しないといけないな。
  • 伝承異聞「ポスト」|ムラサキ

    古翁の村にポストが来た時の話。 村にも郵便制度が拡充し、役場の隣に郵便局ができた。同時に村で初となるポストが局の前に設置された。 朱色に塗られて屹立するポストは村民の耳目を集めた。 翁の言葉を借りれば村に郵便ブームが到来したのである。 その古翁もまた東京に出た兄を慕って葉書を書いた。 まだ幼かった翁は字が上手に書けない。しかし、見様見真似でなんとか住所と簡単な挨拶を書いた。 葉書は子どもには高価な代物であったので、翁の持つ駄賃では買うことはできない。 家の文箱に仕舞われていた葉書をこっそり拝借した。 あとは葉書をポストに投じるだけとなったが、葉書を無断で拝借したことの後ろめたさから、往来の多い日中にポストに近寄ることが憚られた。 かくして少年であった翁は夜半に家を抜け出して、人気のない往来を進みポストに葉書を投函する旅を決行したのである。 誰かに見つかるのではないかと冷や冷やしながら、なる

    伝承異聞「ポスト」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/01/17
    創作民話シリーズ。 村にポストが来た話。 明治四年に前島密が郵便制度を開始。この舞台は明治末期を想定している。
  • 伝承異聞「自動車」|ムラサキ

    自動車がまだ珍しかった頃の話。 舗装もされていない村道に土煙を立てて自動車が走ると、近所の子どもたちがその後ろを追いかけるのであった。 ある日、村道をまた一台の車が走っていった。村の衆はまた車が通りよるわいと、畑から車に目をやった。 車の天井に女が立っていた。 白い着物を着ている。 車は女を乗せたまま走っていく。 村道を走るとき、大抵の車はがたがた揺れるが、その女が揺れている様子はない。 異様な気配を察して子どもたちもその時ばかりは車を追いかけることをやめた。 ただ、自動車が珍しい時代である。 村人たちも自動車とはああいうものなのかもしれないと自らを納得させて、口々に 「はて」 と呟いただけだった。 「しかし」 と当時を振り返り老爺は語る。 「今考えりゃ異常だ。」 ちなみにその時走った車は当時、村にあったどの車でも無かったという。 同じ古翁から自動車にまつわる話をもう一話伺う。 時代が下っ

    伝承異聞「自動車」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/01/13
    民話や昔話が好きなので、自分で作るようになりました。創作民話と呼ぶそうですが、民話って語り継がれたものだから創作の時点で偽物感が強いですよね。 なんか良い呼び名がないかなあ。
  • 幻燈紀行「岩窟の村」|ムラサキ

    冬になると訪れたい村がある。 その村は山を幾つも越えた所にあるので、中々に足が遠い。交通機関も不便である。 冬の日の数日を過ごすため、僕はその村に向かった。町からバスに乗って二時間かかる。 案の定途中で乗客は皆降りた。 寡黙なバスの運転手と寡黙な僕は黙々と山道を進んだ。 途中、運転手に一度だけ話しかけられた。 「お客さんは何をしに行きなさる?」 僕はなるべく丁重に返事を返した。 「冬になると、僕は何故かその村が恋しくなるのです。村をまとう温もりがそうさせるのでしょう。」 「温もりがあるかね。」 「ありますよ。少なくとも宿屋には。」 「あの村の宿は一つしかない。」 「そうだったかな。宿の人たちは良い人ですね。」 会話はそれで終わった。 岩壁に挟まれた隘路を越えてバスは村へと到着した。 僕は寡黙な小旅行の同伴者であった運転手に挨拶をした。 「直ぐに町へと戻るんですか?」 「これはバスだからね。

    幻燈紀行「岩窟の村」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/01/13
    旅行に行きたくなると旅小説を書きます。まだ見たことのない不思議な街や人々に出会いたい。でも出不精で人見知りなので小説に夢を託しています。
  • 猫だって翼があれば飛べる|ムラサキ

    ジャングルジムのような家で育った よく考えればあれはごみ捨て場だった 俺が兄弟と思っていたものは孤児たちで 親と思っていたものは 孤児を売買する仲買人だった ゴミ捨て場のマガジンが世界の全てで ある日拾ったマガジンの ポーンスターのピンナップが 俺の神になった 仲買人はヤクを決めると 俺たちを集めて 終末の悪魔がもたらす厄災の話で 俺たちをビビらせた しかし仲買人はとうとう 神様自身の話をしなかったので 俺達はめいめいが 自分の神様を作って 毎日の礼拝を捧げていた 兄弟たちは ホモセクシャルに走る奴もいたが そいつらは大抵 変な病気になったので 俺はセックスは悪いことだと 考えるようになった 俺のピンナップの神様は 俺達とは全く違う造形で 美しかった 何より凄く太っていて 俺達みたいに痩せてない 分厚い真っ赤な唇 真っ青な瞼 すべてがセクシーだった 兄弟たちは買われたり 消えたり 増えたり

    猫だって翼があれば飛べる|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2018/01/13
    廃退的な文章が書きたくて 小説みたいな詩みたいな物を書きました。 昔観た映画に影響を受けています。ナチスの将校がユダヤ人の少女に恋をして歪な愛情を注ぐと言った内容なんだけど、タイトル忘れました。
  • 短編小説「夜のプールと古代生物」|ムラサキ

    「夜のプールと古代生物」村崎懐炉 高校の構内にあるプールに真夜中、僕たちは忍び込んだ。 防犯用の青いLEDライトが水面に反射して揺れていた。 「博物館に行くのが好きだったんだ。」 と僕は言った。 博物館の階段の下には人造池が造られていた。そこには水が張られて鯉が泳いでいた。もしかしたら水草も生えていたかもしれない。 僕の記憶が曖昧なのはその場所の照明がいつも消されていて、人造池は影の落ちた黒い水たまりでしかなかったからだ。 時折見える錦鯉の背中以外にどのような生き物がその黒い水たまりにいるのか、幼い僕には想像するしかなかった。 階段下の黒い池に棲む生き物たちについては、当時夢中になって読んでいた古代生物図鑑がリンクされて、その場所は僕の中ですっかり白亜紀の森林にできた溜池と化していた。 石畳の人造池の底にはきっと扁平な頭をしたディプロカウルスが両生類特有の緩慢な動作で這い回っているに違いな

    短編小説「夜のプールと古代生物」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2017/12/15
    光の粒子が水の中に満ちていくのが好きです。
  • 短編小説「博物館にて」|ムラサキ

    「博物館にて」村崎懐炉 博物館に行ってブラキオサウルスの骨格標を見上げていると、その年老いたブラキオサウルスは物静かに語るのであった。 昔は良かった。 こんなに狭々としていなかったし。 自由闊達としていたものだよ。 かつて彼にも同族の友人がいた。 彼らは午後の安らいだ時間を散歩や読書に充てて楽しんだ。時に詩論を討議し、熱を帯びて熱い紅茶の入ったソーサーを揺らした。 ブラキオサウルスたちはのんびりとしているので彼が友人と思っていた個体は彼より10歳も年上であったということ。 そして10歳年上であるということは少なくとも彼より10年は早く死期が訪れるだろうことに彼が気づいたのは、友人が死に瀕したその日である。 彼は友人のために樹木の枝葉を口元に運んだ。 友人は静かに笑っていた。 苦しくないか。 そう尋ねた。 苦しくはない。 友人はそう答えた。 何かして欲しいことはないか。 そう聞くと 友人

    短編小説「博物館にて」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2017/12/15
    薄暗い博物館にてライティングされた古代生物の骨格標本に僕はわくわくとした興奮を禁じ得ない。
  • 絵のない絵本「魚の化物」|ムラサキ

    農夫がいた。 ある日お腹を空かせた農夫は水車小屋を後にして、旅に出かけた。 道端に年を取った岩男が座っていた。 彼の体は岩石でできていた。頑丈な体でよく働いたものだが、年を取ってからは関節が固まって動くのも難儀するようになった。 「何処へ行くんだ」と岩男が言った。 「べるものがないから、べるに困らない国を探しに行くのさ」 それを聞いて岩男が言った。 「よし、俺も行こう」 また旅を続けていると道端に木男がいた。 彼の体は木でできていた。若いうちは枝もよくしなって働けたものだが、年を取ってからは中身がスカスカになって枝がポキポキ折れてばかりいる。 「何処へ行くんだ」と木男が言った。 「べるに困らない国を探しに行くのさ」と岩男が言った。 「よし俺も行こう」と木男が言った。 三人が歩いていると道端に麻紐男がいた。彼の体は麻紐でできていた。 若いうちは物事を固く結びつけて、よく働いたものだが最

    絵のない絵本「魚の化物」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2017/12/14
    相互扶助ということ。 助け合いの精神を童話にしました。 とてもそんな話に思えないって? おかしいなあ。
  • 俳句日記 北風|ムラサキ

    昨日から随分と寒い。 朝が寒いのは当たり前と気にしていなかったが日中も寒い。何と言っても風が冷たい。 北風に背中丸める堀端 ランチは街中の海鮮丼店に入る。 牡蠣の季節である。 季節限定の牡蠣の天丼をべた。 大ぶりの牡蠣が五個六個と天ぷらになっている。 牡蠣肥えて店内はごった返し冬を知らず 繁盛している店内は不思議と温かく感じるものである。

    俳句日記 北風|ムラサキ
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    murasaki_kairo 2017/12/13
    俳句日記。 日中まで寒い。寒いとすべてのやる気がそげます。
  • 絵のない絵本「スイートホーム」|ムラサキ

    あるところに。 素敵なお家がありました。 いったい何が素敵か、ですって? そのお家は住んでいる人の 望むようなお家に姿を変えるのです。 あるときは 数学者が住みました。 ほらね、凄くアカデミックなお家になったでしょ? またあるときは 女優が住みました。 鏡ばっかり! またあるときは 子どもの生まれた若い家族が住みました。 子どもが遊べるような すべり台。 ブランコ。 隠れ家。 ちっちゃなテーブルに ちっちゃな椅子。 たくさんのおもちゃ! 素敵な家は子どもが喜ぶように 一生懸命かたちを変えていきました。 でも 子どもはいなくなってしまいました。 そして 家に残ったのは 男の人が一人だけ。 素敵な家は段々歪んでいきました。 溶けたようになって、グニャグニャに。 段々汚い色になっていきました。 気持ちの悪い装飾が付くようになりました。 コウモリ。 蜘蛛。 おばけ。 素敵な家は悲しくなりました。

    絵のない絵本「スイートホーム」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2017/12/13
    絵のない絵本シリーズ。 絵はありませんが読者様が思い思いのイラストを想像できるように幅を持たせた書き方を… しました、と言いたいところですが如何でしょうか?
  • 絵のない絵本「スノウマン」|ムラサキ

    スノウマンは一人で山奥に住んでいる。小さな畑を持ち、野菜を育てている。 彼の所に訪れる者は萬(よろづ)屋のゴードンしかいない。 ゴードンは月に一回スノウマンにパンと町の四方山話を届ける。 スノウマンはゴードンから聞く町の話が好きだった。 町ではアン・メアリが結婚したとか、その相手が隣町の若者でパン屋の息子は失恋したとか。洋服屋のアンダーソンのが子を産んで、学校の飼育舎で子どもたちが世話をしているとか。他愛のない話ばかりであったが、スノウマンは愉しくそれを聞いていた。 ある日ゴードンは言った。 町ではみんな元気にやっているよ。大きなお祭りが始まるんだ。毎晩花火が上がるんだよ。 王様の軍隊が飛行機をたくさん飛ばしてフライトショーもやるんだ。 子どもたちは飛行機に向かって風船を飛ばすんだよ。 お祭りがあんまり大きいので学校もしばらく休みになるんだ、とゴードンは言った。 スノウマンは子どもたち

    絵のない絵本「スノウマン」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2017/12/13
    どこにでも転がってるようなお話で大変恐縮です。深まりつつある冬に免じてお許し下さい
  • 俳句日記 冬の夜|ムラサキ

    俳句日記 冬の夜 村崎懐炉うたた寝をしていて寒くて目が覚めた。 一人寝の霜夜 布団一枚では足りぬ 風呂に入って追い焚きをする。足先から熱い湯が湯船に染みるのが心地良い。 追い焚きが終わる頃には芯から暖まった。 冬の夜 耳まで風呂に浸かりたり 布団に入って寝た。 誰かおらねば布団とて 凍つ綿のかたまりなりき 朝までは布団に入りてぬくし 朝までは

    俳句日記 冬の夜|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2017/12/13
    日記を兼ねた小さな句集です。 冬の夜はそこはかとなく寒い
  • 現代詩 硬派にいきたいんだ|ムラサキ

    現代詩 硬派になりたい 村崎カイロ どうせ僕は背が低くて 背で撫肩で 近眼で牛乳瓶の底みたいな 眼鏡をかけてるし 自分のこと俺なんて 呼べるキャラじゃないし 女の子が着いてくるタイプじゃないし むしろどちらかと言うと頼み込んで 着いていく方だし 居場所はいつも端っこで 何をやっても目立たない 居場所はいつも端っこで 何をしてても気付かれない それでも硬派になりたいんだ 肩で風を切って 往来の真ん中を歩きたいんだ 分かるだろうか 君にこの気持ちが 男が男に惚れるような 格好良さってあるじゃないか 自分を曲げない信念と 人を愛する大きさと 朗らかに笑い飛ばせる剛直と 格好良さってあるじゃないか しかしながら僕はといえば 居場所はいつも端っこで レストランの注文も いつまでも取りに来てくれない それでも硬派になりたいんだ 肩で風を切って 往来の真ん中を歩きたいんだ 男が男に惚れるような 格好良

    現代詩 硬派にいきたいんだ|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2017/12/11
    硬派になりたい と思っていたら 偏屈になった
  • 現代詩「追走」|ムラサキ

    現代詩 追走 村崎カイロ救急車が走り去ったので 僕は後から車で追いかける 救急車のやつは早いから どんどん先に進んじまう 車の列をすり抜けるしさ 赤信号でも止まらないしさ 当に速いんだ 僕はいつまでも右折できずに もたもたしてばかり このもどかしさったら 嫌になっちゃうな テールランプが列を作って 車は中々進まない ブレーキを 踏んで離しての繰り返し 嫌になっちゃうな こんな時の路上は 赤信号ばかり 僕はその度に止まってさ 赤信号をぼんやり見てる 眩しくてさ 嫌になっちゃうな ごめんね 早く着いて 一緒にいてあげたいのにさ 遅くなってごめんね 雨まで降ってきてさ 濡れた路面に ブレーキランプと赤信号 まるで 路面に咲いた 彼岸花

    現代詩「追走」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2017/12/11
    救急車を後追いします。 胸がざわめきます。
  • 現代詩「精米」|ムラサキ

    現代詩 精米 村崎懐炉 田舎から届いた米は玄米であったので どうしたら良いか分からぬまま 僕は15キロの米を抱えて 街に出た 精米所を見つけたが混雑していて 順番が訪れない 玄米を精白してくれる所を探して 僕は街をさまよった 街角に毛皮を着た娼婦が立っていた 米の精白について尋ねたが 彼女が語るのは 場末に流れ着いた男と女の ロマンスばかり 僕はロマンスなど持たぬので それなりに興味津々に聞いていたかったが 米が重いのでお別れをした 最後に娼婦は僕の頬にキスをして またね、と言った 僕もキスを返してまたね、と言った 米は益々重いのだ 僕はハローワークで精白について尋ねたが ハローワークで斡旋されるのは 営業職ばかり 知らない人と話すことができる上手な話術を教わった それなりに興味津々に聞いていたかったが 米が重いのでお別れをした ハローワークの人が名刺をくれた 僕も握手をしてお礼を言った

    現代詩「精米」|ムラサキ
    murasaki_kairo
    murasaki_kairo 2017/12/11
    生まれて初めてコイン精米所に 入りました。 昔からあちこちの駐車場の端っこに置かれているアレが気になっていました。 意外と安かったのと精米は面白かったです。