佐々木俊尚著「キュレーションの時代」を読んだ。 実は先月中旬に読了していたのだが、「あー、こんなに同じようなことを書かれてしまったのなら、ちょっと執筆中の本の内容を変えていく必要があるかもなぁ」とかボンヤリ考えているうちに時間が経ってしまった(ついでに出版時期も延びてしまったw)。 実際、ボクが「明日の広告」の次の本で書こうと思っていたこととずいぶんとかぶる部分がある。 ボクの本はこんなに高尚じゃないし、より実践的に書こうと思っているし、広告とか既存メディアについての視点も違うので、結局内容は変更しないことにしたけど、まぁでも時代の変化の捉え方はこの本と大きくは変わらない。 会社のサトナオ・オープン・ラボで一緒に研究をしている京井くんの本「ロングエンゲージメント」は、一緒に研究しているだけあってボクと考え方がほぼ一緒なのだけど、彼もこの本を読んで「前半は、僕の『ロングエンゲージメント』とほ
・キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる いま情報社会で何が起きているかをキュレーションをキーワードに総括する。 「コンテンツが王だった時代は終わった。いまやキュレーションが王だ」 キュレーターとは、博物館や美術館で展示を企画する専門家(日本では主に学芸員)のこと。展示する作品を選び観客に見せる場をデザインする行為がキュレーション。ソーシャルメディア時代の情報流通におけるキュレーター的役割の重要性を説く内容。とても共感する部分が多かった。 「一次情報を発信することよりも、その情報が持つ意味、その情報が持つ可能性、その情報が持つ「あなただけにとっての価値」、そういうコンテキストを付与できる存在の方が重要性を増してきている」 一次情報の新聞記者よりも、新聞を含む多様な情報を整理して、自分に納得できる解釈を与えてくれるブロガーの方が、私にとっては役に立つ情報源だ。情報大爆発の時代に
まずは前にtwitterに投稿した内容を以下記載。 “僕はテレビを見てない。情報は興味のあるサイトのRSSからだけ。興味ある情報は漏らさずチェックできるようになってるけど、自分の領域外だったり、社会一般のニュースはこぼれちゃってる。家族との会話でかろうじて世の中のことを知る状態。これはまずいね。” 2011年2月19日 01:08:23JST Echofonから “何よりよろしくないのは、こういうひとって僕だけじゃなくて、程度・領域の差こそあれ一般化してるということ。立場の違う人のこと慮れるのかな?では自分はクラスタを越えた活動をすべきなのか、専門性に特化すべきなのか。そんな問題意識で、佐々木俊尚『キュレーションの時代』読んでみます。” 2011年2月19日 01:33:26JST Echofonから そんな気持ちで『キュレーションの時代』読みました。 キュレーション : 無数の情報の中か
■どんな混沌にも必ず法則があり、その法則に基づいて情報は流れて行く。それを解き明かすのが本書の最終ゴールです。 ■「情報を求める人が存在する場所」を本書では「ビオトープ」と呼ぶ。 ■消費は「機能消費」「つながり消費」のどちらかになる(P.128)。 ■コンテンツのアンビエント化とは、動画、音楽、書籍などがオープンに流動化し、いつでもどこでも手に入るかたちで漂う状態のこと。CDやダビングやらの箱や手間は消滅。消費を楽しくする知識•感覚も共有された空間が生まれる。コンテンツは流通形態だけでなく、在り方も180度変移。 ■ネット空間はマスメディア広告のように完璧にコントロールされる世界ではないし、無理にしようとすれば炎上したり批判されたりするのは当然。そこが今だにわからない人が多すぎる。 ■「認知」「興味」の場は、ライフログでもマスメディアでもなく、「Chech in」ではないか(P182)。◇
名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。 佐々木俊尚氏は、類まれな読ませる力を持った人である。 そして、マイナーな文化に造詣が深い。 そんな佐々木氏の持てる力がフルに発揮された渾身の1冊といえる「キュレーションの時代」を読んだ。 情報流通を激変させるソーシャルメディアプラットフォームの上に形成された無数の情報ビオトープ。 それらのビオトープに接続し、視座を提供する無数のキュレーターたち。 そしてそれらキュレーターにチェックインし、情報を受け取るフォロワーたち。 そんな新たな生態系の誕生が社会を大きく変えつつある。 そんなテーマを、さまざまな角度から豊富な文化的事例をもとに分析している。 300ページを超える新書としては圧倒的なページ
「情報の常識は,すべて変わった!」と帯にあるように,これからの情報伝達の方法が,これまでとはまったく異なるものになるということを述べた本。巷に溢れる批評本のように過去の出来事をあーでもないこーでもないと論じるのは意外と簡単なことだが,まだ誰も見ぬ未来の世界を,過去の歴史を参照にながら的確に予測するというのは,非常に難しい作業である。しかし,著者の佐々木俊尚氏は,それに果敢に挑戦している。まず,そのような著者の姿勢に私はとても魅力を感じるし,刺激を受けている。また,内容的には,まだ定義すらない世界のことであるため,著者自らが概念を定義し,それを説明している。そのため,やや説明がわかりにくい所もあるが,それはある意味仕方のないことである。しかし,著者が言わんとしていることは,十分伝わる。 本書の内容を要約すると次のようになる。これまでのマスメディアが情報を独占していた一方向の情報伝達手段は,イ
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書) 作者: 佐々木俊尚出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/02/09メディア: 新書購入: 57人 クリック: 2,260回この商品を含むブログ (202件) を見る 内容紹介 情報の常識はすべて変わった! テレビ、新聞、出版、広告――。マスコミが亡び、情報の常識は決定的に変わった。ツイッター、フェイスブック、フォースクエアなど、人と人の「つながり」を介して情報をやりとりする時代が来たのだ。そこには人を軸にした、新しい情報圏が生まれている。いまやだれもが自ら情報を選んで、意味づけし、みんなと共有する「一億総キュレーション」の時代なのである。シェア、ソーシャル、チェックインなどの新現象を読み解きながら、大変化の本質をえぐる、渾身の情報社会論。 キュレーション【curation】 無数の情報の海の中から、自分の価値観
ソーシャルメディア時代の情報流通のスタイルとして「キュレーション」(あるいはソーシャルフィルタリング)に注目が集まっています。無数の情報の中から重要な情報だけを「目利き」的な存在(専門家だけ、あるいは少数の人々だけとは限りません)に選択・集約してもらい、その中から自分に合ったものフォローするというこの発想、いま様々な形で具現化されつつありますが、例のチュニジア・エジプト報道の中でも優れた物が存在していたようです: ■ Twitter Feed Evolves Into a News Wire About Egypt (New York Times) NPR(National Public Radio、米国の公共ラジオ局)のAndy Carvin氏が、北アフリカ情勢に関する情報のリアルタイム集約を行っていたことについて。彼は以前の記事(NPRが示す「マスメディアによるFacebook活用モデ
佐々木俊尚さんの”キュレーションの時代ー「つながり」の情報革命が始まる”を読みました。好著です。 キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書) 作者: 佐々木俊尚出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/02/09メディア: 新書購入: 57人 クリック: 2,260回この商品を含むブログ (201件) を見る 本書で言いたいことは、この表題に集約されているのですが、本著の中で紹介されているキュレーターによって発掘された人々や文化の紹介がこれまた面白く、極めて興味を引きつけられ、知的興奮へといざなってくれます。 また、論点は多岐に渡り、佐々木氏自身がすぐれたキュレーターであることの証ともなっています。(本書は、”キュレーションの時代”というメッセージ以外に、今、佐々木氏が語りたいことがぎゅうぎゅう詰めになっている本です。) 本著で取り上げられた人々は、 ジョゼ
■ついに入手! そして読了! 佐々木俊尚氏の新著、『キュレーションの時代』をやっと入手して、早々に読み終わった。 キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書) 作者: 佐々木俊尚出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/02/09メディア: 新書購入: 57人 クリック: 2,260回この商品を含むブログ (201件) を見る かなり早い段階よりメールマガジンにおいて佐々木氏本人から『いままで自分が書いた本の中で最高傑作』とか、『「今まで誰も読んだことのないようなITの本を書いてみよう」というのが今回の新著の隠れた執筆動機』というような非常に力のこもった告知があったこともあり、いやが上にも期待は盛り上がっていたため一刻も早く読んでみたいと思っていた。 ■『記念碑』になる予感 実際に読み終えてみて、これは確かに傑作であることは間違いないが、それ以上に『記念碑』と
キュレーション【curation】とは、無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、 そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること。ー 本文より 著者 佐々木俊尚さんからのメッセージ この「キュレーション」という言葉がいま、インターネットの世界を席巻しようとしています。情報の膨大なノイズの海の中から、どうやってキラリと光るあなただけに重要な情報を取り出すのか。劣化したマスメディアでなければ、無味乾燥な検索エンジンのアルゴリズムでもない。情報と人を結びつけ、そこに人と人のつながりをも生み出す新たな概念「キュレーション」。この本では、芸術や音楽、茶道、陶器、歴史などさまざまな文化的エピソードを紹介しながら、21世紀の新たな情報共有圏の世界を明らかにしていきます。
雑記 | 05:31 | ITジャーナリスト・佐々木俊尚さんに、新著『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる(2/9発売)をご献本いただいた。佐々木さん、ありがとうございました! キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書 887)作者: 佐々木俊尚出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/02/09メディア: 新書クリック: 31回この商品を含むブログ (5件) を見る 本書では、情報の枠組みそのものが崩壊している今、情報のあり方が変わり、情報の流れが人を軸としたものに変化していることが、背景も含めてわかりやすく解説されている。 1.情報のあり方とその流れの変化がわかる「ネットワークの価値は、それを利用する人々の数の二乗に比例して増大する。」これは、ロバート・メトカーフが1995年、つまりインターネットが一般に普及しはじめる少し前に提唱した「メ
現時点(2011年2月7日)では発売前だ。じゃあなんでぼくがもう読んだのかって?著者から謹呈いただいたからに決まってるじゃないか。\(^-^)/ このブログで何度も書いてきたように、ぼくは佐々木俊尚さんの影響をモロに受けていて、勝手に「第一使徒」だと自任している。2010年4月に『電子書籍の衝撃』が出た時には興奮のあまり数回に渡ってブログで書いたほど。そのあとも別の本が出たら記事を書くし、佐々木さんがセミナーで講演をしたらまたブログで書いてきた。まさに信徒だね。 さて今回のこの本も、一回では済みそうにない。そこでこの回では、「読む前の人」のために書くことにしよう。読む価値がどこにあるのか、という点を書いていくよ。 まず言えるのは、『電子書籍の衝撃』を読んで文字通り衝撃を受けた人なら、その続きとして絶対に読んだ方がいいだろう。タイトルからはまったくつながっていないようで、でもつながっているの
雲の下の坂~元ロッテ番記者のブログ ビジネスマンに転身した元プロ野球担当記者のブログです。プロ野球取材の印象深い思い出やスポーツニュースへの突っ込み、スポーツビジネス、政治経済の時事ネタ、書評、サブカルチャーなどなど、幅広く書いていきます。 プロフィール プロフィール|なう|ピグの部屋 ニックネーム:新田哲史 性別:男性 お住まいの地域:東京都 自己紹介: コラムニスト、PR会社プランナー。昨年まで読売新聞運動部記者(ロッテ担当) 2011年から新...>>続きをみる ブログジャンル:ニュース全般/野球 メッセージを送る アメンバーになる プレゼントを贈る [記事作成・編集] 最近の記事一覧 愛は地球を、キュレーションは記者を救う?(前編) 日本代表、そしてロッテも「和」で頂点へ 楽天の新規参入を映画化したい ソーシャル・ネットワーク ロッテの球団経営は“フェラーリ型” 時事通信を巡る読売
昨年頃から「キュレーション」、あるいはその行為者としての「キュレーター」という文字を見かけることが増えてきた。 私が最初に見かけたのがWiredのOverwhelmed? Welcome the Age of Curationという記事で、その後、ジャーナリストの佐々木俊尚氏がTwitterなどで発言しているのを目にした。また、日経でも「2011年IT注目キーワード」としてキュレーションを取り上げた記事を2010年末に紹介している。 その日経の記事によれば、キュレーターとは、元々、博物館や美術館で展覧会の企画などを担当する役割の人を指し、転じて、ICTの世界では情報をまとめることをキュレーションと呼び、その行為者をキュレーターと呼ぶと解説している。 また、佐々木俊尚氏は「キュレーション・ジャーナリズムとは何か」という記事の中で、キュレーションを以下のように定義している。 “キュレーションは
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