2010年05月18日12:06 カテゴリIT経済 ユニバーサルサービスという既得権保護 「アクセス回線会社」案をめぐって来月、孫正義氏と夏野剛氏と私の3人でニコニコ動画で討論することになった。スケジュールは調整中だが、技術的な問題に深入りするより通信インフラ整備についての考え方を議論したほうがいいと思うので、経済学の標準的な考え方を紹介しておこう。 アクセス回線会社の経営が国費を投入しなくても可能で、かつ黒字を出せるというソフトバンクの試算は怪しく、総務省のタスクフォースでも多くの疑問が出された。それがかりに正しいとしても、離島や山間部まで月額1400円でFTTHを敷設する「ユニバーサルサービス」は間違っている。光ファイバーを敷設するコストは都市部と山間部で7倍以上違うので、これは都市住民への私的な課税である。八田達夫『ミクロ経済学2』は、ユニバーサルサービスを「既得権保護政策の実例」と