◇文芸評論家・中谷氏、父の収集資料保管 武者小路実篤が1910(明治43)年に創刊した大正文学を代表する同人雑誌「白樺(しらかば)」、創刊号=の全160号が武者小路実篤記念館(調布市若葉町1)に寄贈された。今年は「白樺」創刊100年。記念の年のビッグプレゼントに関係者は大喜びしている。【森下功】 寄贈したのは文芸評論家の中谷治夫氏。実篤と親交があった父のドイツ文学者、博氏(1899~1971年)が収集したものを保管してきた。治夫氏は創刊100周年にあたり全160号の寄贈先を検討した結果、「武者小路実篤あっての『白樺』なのだとの思いが最後の決め手」(治夫氏の館報「美愛眞」への寄稿)となって武者小路実篤記念館に決定。7月末に運び込まれた。 「白樺」は実篤や志賀直哉らによって創刊され関東大震災(1923年)で終刊を迎えるまで14年間、月刊で発行された。日本近代の文学、美術をはじめ芸術、思想全般に