「お目出たき人」(武者小路実篤、新潮文庫) こんにちは てらこやです。 そろそろ年末ということで、ブックオブザイヤーバイマイセルフを考えてみました。今年読んだ本の中では綿谷りさ「蹴りたい背中」(この作品をとりあげた回でも書いた通り、話題の本=読んでたまるものかという病にかかっており、さらに同世代の成功に対する嫉妬もあったため、これまで読んでこなかったのです)あたりが一番おもしろく読めた本になるのかな、と思っていたのですが、それを凌駕するくらいの衝撃的な本が現れました。 武者小路実篤先生の「お目出たき人」です。 ほんのお遊びから武者小路先生の本に手を出して、いつしかすっかりはまってしまったてらこやは、この本によって完全に参ってしまったのであります。 「蹴りたい背中」は、いわゆる恋愛小説ではありません。それは現代の(といっても今からおよそ10年も前の現代ですが)女の子の自己中心性を描いた作品で