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2019年10月3日のブックマーク (5件)

  • 消費税2045

    2045年、日。 1989年に導入され、2019年に軽減税率を取り入れた消費税は、その後奢侈税やガソリン税などを取り込み続け、巨大で複雑怪奇なシステムと化していた。軽減税率があり、世帯収入による免除措置があり、激変緩和措置があり、その例外があり、さらにその例外があった。あるフードコートは近隣の小学校からちょうど300mの距離にあったため、小学校に近い東側でべるか遠い西側でべるかで税率が変わった。ある喫茶店では時間帯とテーブルによって同じコーヒーの税率が24段階に変わることが分かった。もはや正しい税率は誰にも分からなかった。国税庁や税務署の問い合わせ窓口はパンクしていた。新商品のメロンパンの税率について確認するため24時間ぶっ続けで電話を耳に押し当てていたパン屋の店主が倒れて入院した。人々は皆疲れ果てていた。 世論は財務省を容赦なしに糾弾し、政治家も財務省さえ叩けば国民の受けが取れると

    消費税2045
    musubi-sekirei
    musubi-sekirei 2019/10/03
    横浜駅SFみたいな……(横浜駅SFは冒頭しか読んだことがない)
  • 本は積んでおくだけで頭に入ってくるので読まなくておk - 屋上より

    * 序文・積ん読が頭に入ってくる話(1/4) 早稲田松竹でセルゲイ・パラジャーノフの映画を観た帰り道、身の回りでいちばんシネフィルの友人がこんな冗談を言っていた。「もし上映中に寝ちゃっても、まぶたをとおして光が透過してくるから実質観たのと同じだよ」と。そのとき、一年ほどまえの記憶がフラッシュバックした。 一年まえのわたしは京都の能楽堂にいた。知人の招待で能を観にいったのだ。能は美しいシーンと退屈なシーンが両方あり、うつうつらしながら観ていた。能楽師である知人はそれ以上で、上演時間の半分を寝て過ごした。そして終わってから後輩が挨拶にくると、「前半はまあまあだったが後半は緩んでたな」と、落ち着きはらって指導をした。居眠りの反省や決まりの悪さは微塵もなかった。横にいたわたしは彼を見ながら思った。マジでかっこいい。彼の態度は、怠慢さではなく、ある種の専門性、プロフェッショナルな感性のあらわれだと

    本は積んでおくだけで頭に入ってくるので読まなくておk - 屋上より
  • 推し地下アイドルの卒業後、初めてそのグループのライブを見に行った話|裏声

    10/02追記:一部、ちょっとわかりづらいかなと思った箇所の文言を変えました(内容に大きな変化はありません)。思ったより多くの方に見ていただいていて驚いています。ありがとうございます。 「私、〇〇は8月19日をもちまして□□を卒業することに決まりました。」 その「大切なお知らせ」が出たのは7月27日で、それから8月19日までのあいだは驚くほどあっという間に過ぎ、そして8月19日からの1か月はそれ以上にあっという間に終わった。 私はいわゆる「地下アイドルの女ヲタ」だった。推していたのは、地下アイドルの中でいうと、だいたい真ん中より少し下くらい。ちょっと大きめの会場でワンマンライブをやったら数百人集客できるけど、固定の客は十数人、というレベルの。 私はその「固定の客」のうちの一人だった。週に一度は必ず、多いときは週に4回ほどライブに通い、声がカスカスになるまで推しの名前を呼び、ダミ声でMIXを

    推し地下アイドルの卒業後、初めてそのグループのライブを見に行った話|裏声
  • アサヒスーパードルゥゥァイいかがですか?と言いたかったコーヒー売りの人生|岸田 奈美

    夏も真っ盛り、皆さんお元気ですか。 さっぱり航海できていないナミです。 人生の羅針盤をください。 先日、甲子園へ高校野球を見に行きました。 何気に毎年恒例の行事です。 あだち充の漫画に焦がれすぎたゆえの行動力。 高校野球、青春の代名詞じゃないですか。 かく言う私もね、してました。 甲子園球場の売り子のバイト。 大学生時代に。 ほら、あれですよ。 ピンク色のスカート履いて、ビールの樽背負って。 「アサヒスーパードルァァイいかがですかー?」って。 客席の花形ですよね。 正直、憧れてた。 はちゃめちゃに憧れてた。 お父さんから「お前には浅倉南の“南”って名前をつけようとした」って言われた記憶を、勇気に変えて。 甲子園球場の浅倉南に、私はなりたかった。 そんで売り子に応募しまして。 トントン拍子で受かりまして。 「いやー、すこぶる順調。生まれ持ってのスターだわこれは」 くらいにね、思ってたんですよ

    アサヒスーパードルゥゥァイいかがですか?と言いたかったコーヒー売りの人生|岸田 奈美
    musubi-sekirei
    musubi-sekirei 2019/10/03
    なんだこいつ……すげぇな……
  • 弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった|岸田 奈美

    高校から帰ったら、母が大騒ぎしていた。 なんだなんだ、一体どうした。 「良太が万引きしたかも」 良太とは、私の3歳下の弟だ。 生まれつき、ダウン症という病気で、知的障害がある。 大人になった今も、良太の知能レベルは2歳児と同じだ。 ヒトの細胞の染色体が一多いと、ダウン症になるらしい。 一得してるはずなのに、不思議ね。 「良太が万引き?あるわけないやろ」 ヒヤリハットを、そういう帽子だと思っていた母のことなので。 「ちゃうねん!あるんやて!」 ニコラスケイジを、そういう刑事だと思っていた母のことなので。 この手の岸田家大騒動は、気にしてなかった。 どうせ勘違いだろうと。 でもね、母が言うには。 中学校から帰ってきた良太が、ペットボトルのジュースを持って帰ってきたそうで。 お金はビタ一文持たせていなかったそうで。 文無しだったそうで。 (息子を文無しって言うのも、どうなん?) 私は昔、拾

    弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった|岸田 奈美
    musubi-sekirei
    musubi-sekirei 2019/10/03
    め〜〜〜〜〜〜〜〜ちゃくちゃいい文章やんけ!!!!!!!!!!!