ものごころついた頃から、ずっと、アトピー性皮膚炎に悩まされてきた。 自分の症状は、おもに両の手のひらだった。地割れのようにパックリ皮膚が割れる。薬を塗ると一定期間おさまる。しかし、またすぐ悪化する。 その円環の上を30年以上回ってきた。 最初は、こんな感じで始まる。ピリッと痛い。 乾燥した冬の時期になると、こうなる。 めちゃくちゃ痛い。どこがどう痛いのかわからないほどに。 少年野球は1番センターだった。足は速かった。生涯盗塁成功率100%。あだ名は「馬」だった。生涯打率は.496。練馬のイチローと言われていた。今は出版界のレーニンと呼ばれている。見た目の問題だ。共産主義者ではない。どうでもよい。しかしアトピーはどうでもよくない。ライナーを捕球するとジンジン痛む。バットのグリップを強く握れない。インパクトの瞬間に皮膚がズレるように割れて血が吹き出る。 小学生は無邪気で残酷で、「うわ、お前の手
![皮膚と心を蝕む病気|今野良介|編集者](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b9564a5e83752c474a41a90d06b7687e10ab87de/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F17433197%2Frectangle_large_type_2_c67bea3e3a4d73763cc9ff3d94ff1ef2.png%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)