売り場に立つ販売員にとって、常連客をつくるために欠かせないのは信頼関係を築くこと。資生堂の化粧品の最高峰ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」の美容部員、杉江沙紀さん(27)にはなじみの顧客から「次の出勤はいつかしら」と問い合わせが相次ぐ。所属するのは西武池袋本店(東京・豊島)の1階の販売カウンター。抱える常連客の数はナンバー1だ。 顧客との信頼関係を築くため、杉江さんはいつも「見ること」を心掛けている。例えば、接客する際は「もっときれいになってもらうためにどうすればいいか」としっかり相手の顔を見る。そこでいきなり改善点を伝えることはしない。まずは自前のメークのうまくできているポイントを褒める。褒めることで心を開くことができれば、次の会話につながる。 自身の意見をはっきり言うのは色選びなどで顧客に迷ったそぶりが見えたとき。肌の色、見た目の印象などを踏まえ、自身が感じた通りに素直な意見を伝える。