レーザー光は単色性が強く高輝度で遠方まで届き、一点にエネルギーを集中させることもできる。この特徴を生かし、用途がこのところ、急激に拡大している。レーザーの装置やデバイス自体の技術革新も加速し、レーザーの常識が書き換えられようとしている。 1960年に開発されたレーザー光の用途が、最近の数年間で急激に拡大している。背景の一つは、出射装置の高出力化と小型化が進んだことだ。以前は、固体レーザーという大型の装置が必要で、利用できる光の波長も限られ、電力を光に変換する効率も3%程度と低かった。高効率で超小型の半導体レーザー(LD)は当初、利用できる波長が限られていたが、発光ダイオード(LED)の普及を背景に、光の色の選択肢が大幅に増えた。さらにファイバーレーザーという多数のLDの出力を光ファイバーで増幅する仕組みが開発され、大出力での使い勝手が向上した。 もう一つの背景は利用する側のニーズの変化や拡