前回の連載では、小規模太陽光発電所の乱開発、台湾電力会社・台中石炭火力発電所をめぐる国と自治体の対立、そして「脱原発」の推進状況と、太陽光、石炭火力、原子力分野での様々な状況に焦点を当てた。今回は、2025年のエネルギー・トランジション目標の達成をも左右する天然ガスの開発における重要な展開について紹介する。 台湾政府は、2025年のエネルギー構造(発電設備容量)を「天然ガス50%、石炭20%、再生可能エネルギー20%(原子力0%)」にすることを目標としている。この目標の達成のためには、石炭火力の段階的削減、脱原発の推進、再生可能エネルギーの普及以外に、天然ガスの拡大も非常に重要な位置を占めている。とりわけ、台湾政府は、脱炭素化と汚染削減を目指し、石炭火力の代わりとして、天然ガス火力発電へのエネルギー転換を推し進めている。 台湾における2018年の天然ガス総消費量は1699万トン、うち99%