「『たった一度の、いのちと歩く。』クライアントの社員信条の結びの文章にはこう書かれています。それほどの覚悟を持ち365日、重篤患者のいのちを救うために抗体医薬の開発など日々活動されているのに、生活者と接する機会はほとんどありません。そこで、いのちをテーマに共創できる場をつくりたかった」とビルコムのECD小川丈人さんらクリエイティブチームは企画の骨子を固めた。 しかし、薬事法の制約もあり、いのちを広告で表現することは思いのほか難しく、何カ月も悩む日が続いた。光が射したのは、富永さんが“見えざる想い”というコンセプトを開発してからだ。 「クライアントと生活者との唯一ともいえる接点は薬です。見えるプロダクトの裏にある見えない想いを可視化することが自然な流れだと考えました。クライアントから生活者への想いだけではなく、誰かが誰かに抱くいのちへの想いは、目に見えないけれど実はそこら中に溢れています。そ