ジェフリー・ディーヴァー=ジェットコースター・ミステリー。 いきなり断言してしまいましょう。この看板に偽りはありません。ディーヴァー作品の表紙を開くのは、遊園地のジェットコースターの、あの狭苦しくも安心なシートにおさまり、安全バーをぐっと握り締める行為に等しい。あとはもう、がたごとと高みまで運び上げられたあと、思いきりよく突き落とされるだけです。レールは山あり谷あり、豪快な急カーブあり。途中で下りることは許されず、ひたすら終点に向けて突っ走るのみ。スリル満点の旅が保証されています。 ただ、そんな楽しい旅も、終点でがつんと急ブレーキをかけられ、「はい、お帰りはこちら!」とそっけなく放り出されたとしたら、せっかくの楽しさもそこで半減してしまうでしょう。リピーターにはなりたくない。 その点、ディーヴァー・コースターは、どれを選んでも安心です。終点に一服の清涼剤を用意し、読者が乱れに乱れた心をほっ
![初心者のためのジェフリー・ディーヴァー(執筆者・池田真紀子) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/96bc1d1fd8fc7f7f2aeb9af018502fda849e50f2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41Akl5bvfwL._SL160_.jpg)