当局の要請で洋服店からネクタイが一斉に消えた。この店では、目立たないように1本だけ展示していた=テヘラン中心部で2012年6月14日、鵜塚健撮影 【テヘラン鵜塚健】イランの警察当局が、ネクタイを販売する洋服店の徹底的な取り締まりを強めている。イラン政府はこれまでも、ネクタイは「西洋文化の象徴」として敵視してきたが、販売は容認していた。宗教界の影響力の高まりを受け服装規制を厳格化する当局に対し、市民や商店主から反発の声が上がっている。 イスラム革命(79年)以降、反欧米を掲げるイランでは、官僚や政治家らは一切ネクタイを着用しないのが慣習。それでも私的なパーティーでは好んで着用する市民もおり、販売は許されてきた。 当局は今年5月末以降、ネクタイを販売する洋服店の一斉取り締まりを開始。テヘラン中心部の洋服店店主の男性(30)によると、販売すれば罰金や3〜6カ月の営業停止処分にするとの通達があり、