「私は伝統的な通信事業者(の人間)だが、彼は“IT技術者”の顔を持つ。これからのKDDIをリードするには彼のような経験が不可欠だ」---。KDDIの小野寺正・社長兼会長は2010年9月10日、12月1日付で就任する新社長に田中孝司・代表取締役執行役員専務を選んだ理由をこのように話した(写真、関連記事) 田中専務は旧KDDの出身(KDDIはDDI、KDD、日本移動通信の合併で発足)。若き日はエンジニアとして活躍し、2000年のKDDI発足以降は主にソリューション事業を担当してきた。「エンジニアとして過ごしていた当時、KDDの情報システムをメインフレームからオープン系のUNIXの置換するプロジェクトを進めた。今、必要となっているオープン系のデバイスを理解するうえでも勉強になった」と田中専務は話す。 記者会見で小野寺社長は、昨今の通信事業者を取り巻く競争状況変化への対応の必要性を強調した。旧来の