もうそろそろ記憶が薄れた頃かもしれないが、2012年は台湾総統選挙に始まってロシア、フランス、米国の大統領選挙が行われた年である。そして年末には日本と韓国でも新しい「国の顔」を選択する熱い選挙戦が繰り広げられた。その中で、最も金融市場に刺激を与えたのは安倍晋三首相の再登板を選択した日本の総選挙であった、と言って良い。世界の市場は、久々に日本の政治経済の変化に注目している。 安倍首相の「大胆な金融政策」への転換宣言は、既に投票前から為替レートや株価を揺り動かしてきた。無党派層の棄権と小選挙区制度の相乗効果で圧勝した後も「材料出尽くし」とはならず、「インフレ・ターゲット」や「公共投資拡大」といった勇ましい、そしてややアナクロの匂いすら漂う政策を、日本の市場も「アベノミクス」と囃しながら期待感で湧いている。 20年もの長い閉塞感を打ち破る政策として、いまだにバブル時代への郷愁を引きずる日本の金融
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