漫画「はだしのゲン」が問題になった。事の発端は、市民から「はだしのゲン」の一部に教育上問題があるとの要請を受け、松江市教育委員会が、市内の小・中学校の図書室で子どもが自由に読むことができなくするよう学校側に求めていたことだ。これに対して、朝日新聞など全国紙が社説で批判していた。 松江市教育委員会は8月26日、臨時の教育委員会会議を開き、暴力描写や歴史認識について内容に踏み込む突っ込んだ議論は避け、「手続きの不備がある」として制限要請の撤回を決めた。ちょっと肩すかしを食らった形となった。 もとより、こうした問題は価値観の違いを表すもので、各人それぞれの考えがあるだろう。筆者が「はだしのゲン」で問題とされたセリフや描写を紙上掲載せずに新聞各紙が批判するのはいかがなものかとネット上で書いたら、松江市教育委員会の決定後にようやく掲載した全国紙もあった。 それはそれでいいが、本コラムでの筆者の観点は