特に興味をそそられたのは「自分は結婚したら主婦になりたい」と書いている女子学生が少なからずいたことだ。講演の最後の方で「キャリアか家庭か両方か自分で選んでください。どれを選んでもそれなりに大変で、楽な道はありません」と話したことへの反応である。 講演は「男女共同参画時代のキャリアデザイン」という全学部共通の講義の中の一こまで、毎回、学外から講師がやってきて話をする。単位や時間割の関連でたまたま受講した人もいただろうが、少なからぬ人が、この講義がジェンダー教育の一貫であることを知っていたはずである。それでもレポートに「主婦になりたい」と記す、その率直さには好感をもった。 もちろんレポートの中には「私は結婚しても仕事を続けたい」とか「子どもを持っても働きたい」という意見もたくさんあった。しかし「結婚や出産はしなくていいから、仕事に邁進したい」という意見はひとつもなかった。 誤解を恐れずいえば、