宇宙航空研究開発機構は22日、陸域観測技術衛星「だいち」の発生電力が停止し、観測ができなくなったと発表した。原因を調査して対策を検討するとしている。 だいちは2006年1月にH2Aロケットで鹿児島県の宇宙機構種子島宇宙センターから打ち上げられた後、設計寿命の3年、目標寿命の5年を超えて運用されていた。 同日午前7時半ごろ、太陽電池から供給されている電力が急速に低下し、消費電力を節減するモードに入った後、発生電力が確認できなくなったという。 だいちは国内外の地震や津波、火山噴火の現場を撮影し、地形の変動や発生前後の環境の変化を明らかにした。東日本大震災後に観測した東北地方の画像は、地殻変動の把握などに活用された。
宇宙航空研究開発機構は22日、地球観測衛星「だいち」の電力が失われた、と発表した。この日朝、太陽電池から供給されている電力が急低下し、衛星が消費電力を最低限にするモードに入っていることが判明。その後、電力がさらに下がったという。 だいちは2006年1月に打ち上げられた。設計寿命は3年、目標寿命は5年で、いずれも過ぎていた。 今年3月の東日本大震災では被災地を撮影し、津波の被害を受けた仙台空港付近の様子などを公開した。
写真●被災地周辺の地殻変動状況。陸域観測技術衛星「だいち」で観測したデータを基に差分干渉解析(DInSAR解析)で分析した結果(JAXA提供) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2011年3月13日から、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS、Advanced Land Observing Satellite)による緊急解析結果をWebページ上に掲載、今回の大地震に伴う被災地域の地殻変動などの詳細なデータを連日更新して提供している。大津波による被災地域の冠水状況の把握などにも役立てられる情報となっている。 16日に掲載した最新情報によれば、JAXAは15日21時56分ころに「だいち」に搭載するLバンド合成開口レーダー「PALSAR」(パルサー)による現地の緊急観測を実施。地震前後の地殻変動の測定を試みたという。得られたデータを差分干渉解析した結果、地震発生前(2010年10月28日)と発生後
国土地理院は、北方領土の歯舞群島などの地形図を88年ぶりに作製した。ロシアが実効支配しているため現地調査ができず、全国で唯一、戦後の地形図が作製されていなかったが、陸域観測技術衛星「だいち」の画像データを基に実現した。 完成した地形図は、水晶島など歯舞群島のすべて(7枚)と国後島南部(6枚)の計13枚で、縮尺は2万5000分の1。従来は1922(大正11)年に作製された縮尺5万分の1が最後だった。 北方領土の残りの地域のうち、11年度は国後島中部7枚を作製する予定。色丹島、択捉島を含む全体の完成には10年ほどかかるという。地理院測図部の鈴木宏昭・国土基盤情報調整官は「北方領土の広さは福岡県に匹敵するため、予算や技術的検討に時間がかかる」と話している。地形図は1枚270円。日本地図センター(東京都目黒区)などで販売している。【安味伸一】
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く