(文学フリマ用の本にのせる文章) 今年の夏季(7〜9月)に放送され、非常に話題となりかつ物議を醸したTVアニメに『School Days』(以下、「スクイズ」と略す)がある。PC美少女ゲームを原作とするこの作品は、一見(タイトルを反映したような)普通の爽やかな青春ラブストーリィを描くと見せかける。しかし話が進むにつれ、主人公の男の子の優柔不断さとある意味見境のなさから、二股・三股になった関係は泥沼化し、女性キャラクターの心理はより荒んだ形で描かれる。(最終回になるはずだった修羅場の末の凄惨な結末は、折りしも起こっていた殺人事件の影響で、ほとんどの局で放映を中止される事態となるのだけれど) 放映時は主人公の行動、一人と付き合っていながらもう一人、さらに一人と関係を持ち、かといって前の関係を清算できないままずるずると状況を放置してゆくことが大きな非難を浴びた。制作側(あるいは原作)にも、人間感